新国立競技場の基本設計案 景観配慮、高さ下げ70メートルに変更

[ 2014年5月28日 18:43 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の構想を審議する有識者会議が28日、東京都内で開かれ、周辺環境との調和に配慮して建物の高さを昨年11月の計画から5メートル低くした日本スポーツ振興センター(JSC)の基本設計案を承認した。巨大で景観を損ねるとの批判を受け、75メートルから70メートルに変更した。

 解体費を含めた総工費は1692億円で、これまでの見通しから変更はなかった。

 グラウンドの芝生育成にも考慮し、太陽光を採り入れるために屋根の南側に透過性の高い素材を使い、大雪に備えて融雪装置を設置する。臨場感を高めるため3段構造の観客席の最下段は可動式とし、陸上は7万2634人、サッカーなどは8万137人収容となった。

 建築家の安藤忠雄氏は高さを抑えた点を「バランスがいい」と評価する一方、批判に対しては「(JSCは)もっとしっかり発言していく必要がある」と説明を尽くすべきだとの考えを示した。

 JSCは今後政府と調整を進め、より詳細な実施設計に着手する。現在の競技場は7月に解体が始まり、ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会に向けて19年3月に完成する予定。

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2014年5月28日のニュース