松山 Vなら賞金王も シャフト一新で初ホスト大会意気込み

[ 2013年11月20日 05:30 ]

T・ワトソンの前で、バンカーショットを放つ松山

 男子ゴルフのダンロップ・フェニックスは21日、宮崎・フェニックスCC(7027ヤード、パー71)で開幕する。勝てば賞金王が決まる可能性のある松山英樹(21=東北福祉大)はアイアン、ウエッジのシャフトを一新することを決断。この日はメジャー通算8勝のトム・ワトソン(64=米国)と練習ラウンドを行い、自身初のホスト大会に向けて気合を入れた。

 賞金王へ向けて松山が勝負に出た。国内ツアーは残り3試合。シーズンも佳境となったこの時期にアイアンとウエッジの10本全てのシャフトを交換する決断を下した。1Wは5年前のモデルを使用するなど、クラブには強いこだわりのある男だけに異例の措置。「(用具契約する)スポンサーの大会なので頑張りたい。良い状態で迎えられるようにしたい」と並々ならぬ意欲を見せた。

 これまでのシャフトは「ダイナミックゴールド S400」(トゥルーテンパー)を使っていたが、予想以上にしなって左へ曲がる傾向があった。そのため、シャフトの重量は維持しつつ、より硬くハードなものを探していたところ、「NSプロ・システム3―TX」(日本シャフト)が合致したという。実は先週の三井住友VISA太平洋マスターズの最終日は既に3IからPWまで8本のアイアンのシャフトを替えてテスト。徐々に感触をつかんだ18番パー5は170ヤードから8Iで4メートルにつけイーグルを奪取。「スイングできるようになってきた」と語っていた。手応えをつかみ、今週からはウエッジ2本も入れ替えた。

 松山の開幕から5試合のパーオン率は全体で6位(65・28)、3位(73・61)、6位(58・33)、3位(59・72)、2位(69・44)と好成績を収め、安定したショットと比例するように成績も2勝と賞金レースを独走する最大の要因となった。しかし、背中痛もあって調子を落としていた先週は全体14位(70・83)。「この時期にシャフトを全部替えるなんてあまり聞かない」というプロの声もある中、体の調子と相談しての答えが新シャフトだった。

 9月のフジサンケイ・クラシックの期間中にブヨに刺され大きく腫らした右頬が再び悪化した。練習後に病院に向かうと患部に細菌が侵入する「せつ」と診断された。「痛みはあったりなかったり」と松山は言う。数日は腫れが残るが、それでも宿舎に戻るとトレーニングするなど開幕へ向けて問題はない。

 この日は1番のティーに偶然居合わせたワトソンと8月の全米プロ選手権以来のラウンド。松山の切れのあるアイアンショットに「グッドショット」と声を掛けた。松山が優勝すれば賞金王が確定する可能性もある。新帝王もうなるアイアンショットがキングへの道を切り開く。

 ▽賞金レースの行方 今大会を含めて残りは3試合で、優勝賞金はいずれも4000万円となっている。賞金ランク1位の松山は現在、約1億5444万円を獲得。2位の金亨成は約9812万円で約5632万円の差がある。今週、松山が賞金王を決めるためには8000万円以上の差をつける必要があり、そのためには優勝が必要で、金亨成が3位(賞金1360万円)以下、もしくは2位でも3人(賞金1440万円)以上なら決まる。

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