泣き虫先生 伏見工総監督・山口氏にIRB「スピリット賞」

[ 2013年11月20日 05:30 ]

山口良治氏

 日本ラグビー協会は19日、国際ラグビーボード(IRB)が選出する今年の「IRBラグビースピリット賞」に、元日本代表で京都・伏見工ラグビー部総監督の山口良治氏(70)が選ばれたと発表した。01年に創設された同賞を日本人が受賞するのは初めて。社会貢献など「ラグビーを通じて人々を助け、励まし、勇気づけた人物」らに贈られるもので、過去には元フランス代表主将のジャンピエール・リーブ氏らが受賞している。

 9月ごろに体調を崩した山口氏は18日(日本時間19日未明)にアイルランド・ダブリンで行われた表彰式を欠席。代理で出席した憲子夫人にホスキンスIRB副会長からトロフィーが贈られ、次女・東亜子(とあこ)さんが感謝の言葉を述べた。山口氏は家族を通じ「このような素晴らしい賞を頂き、この上ない光栄と喜びでいっぱいです。早く元気になって、また一人でも多くの人々にラグビーの素晴らしさを伝えていきたいと思います」とコメントした。

 山口氏は75年に伏見工監督に就任。総監督時代を含め同校を4度の全国制覇に導き、元日本代表の平尾誠二氏(現神戸製鋼GM兼総監督)らを育て、テレビドラマ「スクール☆ウォーズ」のモデルにもなった。IRBは授賞理由を「教師、人生の師として多くの生徒の人生をより良いものへ変え、弱小で荒れていた高校を数年で全国優勝へ導いた」としている。

 ◆山口 良治(やまぐち・よしはる)1943年(昭18)2月15日、福井県生まれの70歳。若狭農林高―日体大―京都市役所。現役時代はフランカーで名キッカーとしても知られ、日本代表キャップ13。74年で現役を引退し、75年に伏見工ラグビー部監督就任。98年から総監督になり、全国高校大会では80、92、00、05年と4度優勝した。現職は同部総監督、京都アクアリーナ館長。

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2013年11月20日のニュース