体操女子の暴力指導疑惑 選手、コーチともに複数

[ 2013年8月22日 18:22 ]

 体操の女子選手に対する暴力的な指導の疑惑が表面化したことを受け、調査に着手した日本オリンピック委員会(JOC)と日本体操協会は22日、東京都内で記者会見し、通報した選手と訴えられたコーチがともに複数いることを明らかにした。氏名やクラブについては相談者の特定を避けるために公表しなかったが、大阪府で調査していることについては言及した。JOCの判断で選手が警察に相談したという。

 JOCは4月17日にこの件で最初の通報を受け、3月の相談窓口開設後に本格調査する第1号の案件として事実確認に努めた。7月8日に日本体操協会に報告し、11日には体操協会による指導者の聞き取り調査に立ち会ったが、2人のコーチが全面的に否認した。近日中に同協会の顧問弁護士が相談者に聞き取りを行う。

 日本体操協会の渡辺守成専務理事は(1)法廷での事実認定(2)協会が仲介役として調停―の対応策を提示し「初のケースでJOCはちゅうちょしている部分もあると思うが、競技団体が主体的にやったほうが解決する」との考えを示した。

 ▼青木剛・日本オリンピック委員会(JOC)専務理事の話 今回は本格調査にあたる1件目。スポーツの現場から暴力を追放する取り組みを強化する必要がある。今回の場合は、相談者が特定される危惧があるからとJOCに来たのだろう。

 ▼渡辺守成・日本体操協会専務理事の話 事実関係をうまく見極めることが協会の役目だ。JOCで問題を抱えられても困る。競技の特殊性があり、協会に預けてもらった方が解決は素早いと思う。情報を開示してくれたらすぐに動き出せた。

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2013年8月22日のニュース