体操女子で暴力的指導か JOC調査開始、窓口開設後初

[ 2013年8月22日 06:00 ]

 体操女子で選手に対する暴力的な指導があったと通報を受け、日本オリンピック委員会(JOC)が調査に乗り出したことが21日、分かった。柔道などスポーツ界における暴力指導問題の発覚を受け、JOCが3月に駆け込み寺となる通報相談窓口を開設後、第1号の本格調査となる。

 聴取を受けたというコーチは「(通報者は)クラブをやめていった人間かもしれないが、中には指導者をよく思わない人もいる。しかし、選手に手を上げたことはない。身に覚えがない」と反論している。JOCは7月に選手や関係者に聞き取りを開始。JOC関係者は「調査結果がまとまれば発表する。今は調査中」とし、プライバシー保護を理由に選手名を開示していない。

 日本体操協会も独自で調査に着手し、暴力指導の事実が確認されれば処分を下す方針。同協会幹部は「被害者とされる人に聞き取りができないため調査が進まない。JOCに選手が駆け込んだ場合、守秘義務があるという理由で事態がこう着状態に陥るのは課題」と話した。

 ▼JOC通報相談窓口 柔道の暴力指導問題を契機に3月に東京都内の弁護士事務所に設置された。五輪強化選手や強化スタッフ、加盟競技団体の役職員が利用できる。暴力のほか暴言やパワーハラスメント、セクハラなどが対象。匿名による通報も受け付ける。不当行為が明らかになればJOCが是正措置や再発防止策を講じる。

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2013年8月22日のニュース