山下7バーディー!38歳初Vへ谷口先輩に挑戦状

[ 2012年10月26日 06:00 ]

<マイナビABCチャンピオンシップ初日>18番、バーディーパットを沈めギャラリーの声援に応える山下和宏

男子ゴルフツアーマイナビABC選手権第1日

(10月25日 兵庫県加東市・ABCゴルフ倶楽部=7201ヤード、パー72)
 ツアー未勝利の山下和宏(38=ザ・サイプレスGC)が65をマークし、2位に1打差の首位で発進した。ショット、パットともに好調でボギーなしの7バーディー。9位の先輩・谷口徹(44=フリー)に挑戦状を叩きつけ、初優勝を狙う。石川遼(21=パナソニック)は2アンダーの27位に付けた。
【第1R成績】

 風邪気味な上に背中が痛い。マイナス材料を抱えてスタートした山下が「それが良かったのかも、力が抜けて。スコアに対しては満足している」とスイスイとスコアを伸ばした。

 インスタートで前半は2度の連続を含む5バーディー。12番は7メートル、13番は5メートルのバーディーパットを見事に沈め、アプローチの正確さも光った。最終9番パー4は残り157ヤードの第2打を9Iで3メートルに付けるバーディー締め。ボギーなしの7バーディーを奪った。

 山下自身は、練習中にスイングを変えたことが好成績の要因と分析する。ダウンスイングの際にヘッドの位置を工夫し、同じやり方をパッティングでも試すと、見事にはまったという。効果が早くも出た形だ。

 夏からメンタル改革にも取り組む。それまで「悪い時は逃げて守りに入りすぎ」手堅くなり過ぎる傾向にあったが「ここで勝負したらいいやん」と果敢にピンを狙う意識が高まった。9月のコカ・コーラ東海クラシックで9位に入った後、3試合連続で13位。開き直りが好成績を生んでいる。

 強気の姿勢は言動にも表れた。同じ関西に拠点を置く谷口とは練習や食事をともにする。実績も年齢も相手がずっと上。遠慮もあるが「ご飯はごちそうになるけど、ゴルフでは対等の関係だと思っている。師匠ではありません。やっぱり、谷口さんに勝たないと」と挑戦状を叩きつけた。

 昨年の大会は2位発進しながら22位に沈んだ。決勝ラウンドで息切れする試合が多い。「一発、勝負をかけてやらないと。13位が続くより、一発頑張ったほうが賞金も稼げるし」と、38歳は初優勝へ意欲満々。失速癖を克服し先輩を見返す。

 ◆山下 和宏(やました・かずひろ)1973年(昭48)11月5日、大阪府出身の38歳。中学時代は野球少年。15歳でゴルフを始め、自宅近くの河川敷で腕を磨いた。98年プロ入り。08年初シード。得意クラブはSW。賞金ランク32位。1メートル75、70キロ。

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