藍 美香に競り勝ち5差逆転V「まさか優勝できるとは」

[ 2012年7月3日 06:00 ]

逆転優勝し、トロフィーを手に笑顔の宮里藍

USLPGAツアー アーカンソー選手権最終日

(7月1日 アーカンソー州ロジャーズ ピナクルCC=6376ヤード、パー71)
 5打差の4位から出た宮里藍(27=サントリー)が大逆転優勝を飾った。7バーディー、1ボギーの65で通算12アンダーまで伸ばし、宮里美香(22=NTTぷらら)とのデッドヒートに1打差で競り勝った。今季2勝目、ツアー通算9勝目を挙げ、賞金ランキングでは約2年ぶりに1位に浮上。米本土大会での日本人ワンツーフィニッシュは史上初で、5日開幕のメジャー、全米女子オープン(米ウィスコンシン州コーラー)に向けても最高の弾みをつけた。

 米ツアー9勝目の味は今までと違って少しほろ苦かった。宮里美が3メートルのバーディーパットを外して決まった優勝。あと一歩で米ツアー初Vを逃した後輩の心情が、宮里には痛すぎるほど分かった。

 「何て言ったらいいのか分からなかった。自分が負けたときのことを思い出したりして。美香ちゃんとプレーオフなら最高だったのに」。最終組でのプレーを終えて上がってきた宮里美に抱きつかれると胸が詰まった。絞り出した言葉は「ありがとう」。そうとしか声をかけられなかった。

 前週の予選落ちからまさにV字回復となったが、ゴルフの状態は「まだ7割ぐらい」だという。連日の炎天下、技術だけではなく精神力も試される戦いを克服した。「まさか優勝できるとは思わなかった。自分が一番驚いている」

 バーディー合戦の流れに乗り、15番までに6バーディーを重ねて首位を捉えた。18番パー5も2打目で積極的に攻め、3Wでグリーンエッジまで運んでバーディー。1打差の首位に立ってホールアウトした。それでもプレーオフ突入は覚悟していたが、結局そのまま優勝。「自分のプレーに集中できればこういうことも起こるんだと勉強になった」と5打差の逆転劇を振り返った。

 賞金ランクでは優勝した一昨年8月のセーフウェー・クラシック以来の首位に立ち、目標に掲げる年間最優秀選手のポイントも3位に浮上した。2日にはコーチで父の優さんも合流。今季メジャー第3戦となる今週の全米女子オープンは最高の形で迎えられる。「凄く難しいのは分かっているので、コースに合ったマネジメントができればいい」。余韻に浸ることもなく、心の中で初のメジャー制覇を誓い直した。

 ▽宮里の最終日最大差逆転優勝 10年2月にタイで行われたホンダLPGAの6打差が最大。3位からスタートして7番のイーグル、18番のチップインバーディーなど自己ベストタイの63をマーク。ペテルセンをうっちゃって米ツアー開幕戦を制した。

 ▼36位・上田桃子 きのうは(大会前に痛めた右肩と首が)痛くなかったので大丈夫だと思ったけど、きょうは立っているのも痛い。それでも3日間、自分なりにプレーできたのは自信になる。(痛み止めが効かず、74と崩れて通算1アンダー)

 ▼69位・桜井有希 レベルが高いとは思ったけれど、いいゴルフをすれば上に行けるとも感じた。また挑戦したい。(米ツアー初出場)

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2012年7月3日のニュース