内村 近年最高の仕上がり!状態もう「75%」

[ 2012年6月27日 06:00 ]

体操五輪代表合宿でつり輪の演技を見せる内村航平

 ロンドン五輪開幕まであと1カ月となり、各競技で機運が高まってきた。体操の男子は26日、東京・味の素トレセンで合宿を公開。世界選手権個人総合3連覇中の内村航平(23=コナミ)は、大舞台開幕1カ月前の状態としては近年最高の仕上がりをアピールした。

 大舞台が待ち切れない。開幕まで、ちょうど1カ月。体操男子の万能キングは、もう戦闘モードに突入していた。「早く(ロンドンに)行きたくてしようがない。調子も上がってきた。あと1カ月、維持できるかどうか心配です」と内村は不敵な笑みを浮かべた。

 近年、最高の仕上がりだ。現時点でのコンディションは「75%」と内村は言った。09~11年に世界選手権個人総合で前人未到の3連覇。大舞台開幕1カ月前の状態を比較すると、現在の万全ぶりが分かる。内村によると五輪と同じロンドン開催だった09年が75%、左肩故障を抱えていた10年は30%、東京開催だった昨年は50%の仕上がりだったという。手応えは最高潮。この日行った6種目の通し演技でも、ほぼノーミスでまとめた。

 モチベーションも最高潮だ。6月上旬、合宿中の内村を1人の漫画家が訪れた。小学生時代にむさぼり読んだ体操漫画「ガンバ! Fly high」の作者・菊田洋之氏(44)が、主人公の藤巻駿と内村の似顔絵を1枚の色紙に描いてプレゼント。「そりゃあうれしかったですよ。サッカー漫画で言ったら“キャプテン翼”、格闘漫画で言ったら“北斗の拳”、体操だったら“ガンバ! Fly high”ですから」と内村。自室に色紙を飾り、厳しい練習に臨む糧にしている。

 大目標は04年アテネ五輪以来となる、団体総合の金メダル奪回だ。「今は団体のことしか考えていない。ミスが出なかったら、日本が一番だと思う。持っている力を100%出せれば、結果はついてくる」。団体総合、個人総合、そして種目別。万能キングのゴールドラッシュが、日本列島を熱くする。 

 ≪跳馬の種目別決勝は狙わず≫跳馬は安全策だ。団体総合の予選は個人総合と種目別の予選を兼ねており、跳馬で種目別決勝に進出するためには予選で2本跳ぶ必要がある。だが、内村は「跳馬を2本やると体力がなくなる」と話し、跳馬での種目別決勝は狙わないことを明かした。「種目別で決勝に残るかどうかは自分のこと。自分のことのために危険度を高くするようなまねはしたくない」と、団体総合でチームに貢献するために決断を下した。

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