加藤 引退危機乗り越え日本新で2大会連続五輪

[ 2012年4月4日 06:00 ]

<水泳日本選手権 女子100メートルバタフライ決勝>1位の加藤

競泳ロンドン五輪代表選考会兼日本選手権第2日

(4月3日 辰巳国際水泳場)
 女子100メートルバタフライは、加藤ゆか(25=東京SC)が自身が持っていた日本記録を0秒03上回る57秒77で優勝し、この種目でただ一人の五輪代表に決まった。

 北京五輪に続く2大会連続の五輪出場だが「今回は落ち着いて臨めた」と4年前の五輪予選を振り返る。「決勝前日はご飯を食べられず夜も寝られなくて、いっぱいいっぱいだった」。今回は「少なめだったけど、ご飯も食べられた。余裕を持って五輪切符を獲れた」と手応えを話した。

 「出場が決まった時点で、うれしくて終わっていた」。北京五輪は予選落ちの惨敗。引退も考えたが、山梨学院大を卒業して東京SCの平井コーチの元に行き「考えながら練習すること、精神面を鍛えてくれた」と言う。「やめなくてよかったと今は思う」とどん底からの4年間を振り返った。

 日本新を出したが「57秒7台じゃ戦えない。決勝はもっと上が目標だった」と世界を見据えている。メドレーリレーのメダルが期待されるロンドン五輪。「これからの3カ月が勝負」との言葉に、25歳になった加藤の成長がにじんだ。

 ◆加藤 ゆか(かとう・ゆか)女子50メートル、100メートルバタフライ日本記録保持者。08年北京五輪、07年、09年、11年世界選手権代表。山梨学院大出、東京SC。1メートル59、52キロ。25歳。愛知県出身。

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