遼と同学年…19歳松山、史上3人目のアマチュアV

[ 2011年11月14日 06:00 ]

優勝トロフィーを掲げ笑顔の松山英樹

男子ゴルフツアー三井住友VISA太平洋マスターズ最終日

(11月13日 静岡・太平洋クラブ御殿場コース=7246ヤード、パー72)
 “石松時代”の到来だ!!アマチュアの松山英樹(19=東北福祉大2年)が2打差の2位から68で回ってツアー初優勝。首位で迎えた最終18番パー5で会心のイーグルを奪い、勝負を決めた。アマチュアの優勝は倉本昌弘、石川遼に次ぐ3人目で、石川、黄重坤(ファン・ジュンゴン=韓国)に次ぐ歴代3番目の年少優勝(いずれも73年のツアー制度施行後)ともなった。
【最終R成績】

 瀬戸際の勝負にプロもアマチュアも関係なかった。土壇場で谷口が最高のショットを放っても、松山はそれを上回る一打で勝利の女神を振り向かせた。「ローアマを目指して頑張ってきたんですけど優勝しちゃいました」。勝負を決めたのは、屈託のない優勝インタビューの笑顔からは想像もつかない切れ味だった。

 単独首位で迎えた18番パー5。2打差で追う同組の谷口が意地を見せ2・5メートルのイーグルチャンスにつけてきた。松山の2打目は右セミラフから残り177ヤード。池越えでピンを狙うにはリスクも伴い安全策を取ってもよかった。だが、松山の視線は一点に集中していた。「左に打つ選択もあったけど、なぜかピンしか見てなかった」。8番アイアンを振り抜くとボールはピンの右50センチにぴたり。ウイニングパットを外す心配のない距離だった。

 大舞台で輝く強心臓ぶりは健在だった。14番で東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督から「いけー!」と応援された時には「小便したいっス」と気の抜けるような一言を漏らした。ただし、無意識の緊張感からか12番で用を済ませた後に17番でも再びトイレに駆け込むおちゃめな一面を見せた。マスターズなどで体力不足を痛感すると「動けるデブになる」と体重増量にも着手。この半年で8キロも太くなり、今大会の飛距離でも平均300・33ヤードでランキング2位になった。

 アマチュアの優勝は07年5月に高1だった石川が勝って以来。4年前のその時、松山は高校の移動のバスでニュースを知った。約2カ月前に中学の試合で優勝を争ったばかりの石川の快挙。「絶対ウソ!」とにわかには信じられない気持ちだったが、4年後に自身が主役になった。

 表彰式ではホールインワン賞を獲得した石川に促されて席に着いた。定番の赤パンツをはいて表彰式慣れした石川と、こちらもお決まりの黄パンツで「自分でいいのかな」と少し緊張気味の優勝者。「今までは遼一人でゴルフを盛り上げてきたので、自分も盛り上げていけたらいい」。派手な色をしたウエアだけでなく、2人のプレーがこれからのゴルフ界を彩っていく。

 ◆松山 英樹(まつやま・ひでき)1992年(平4)2月25日、愛媛県松山市生まれの19歳。父・幹男さんの教えで4歳でゴルフを始める。中学2年で明徳義塾中へ転校し、明徳義塾高3年で日本ジュニアに優勝。東北福祉大1年の昨年はアジアアマに優勝して今年のマスターズ出場権を得ると、同大会で27位に入りベストアマに。今年はユニバーシアード夏季大会、日本学生、アジアアマにも優勝。1メートル80、85キロ。

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2011年11月14日のニュース