内村5冠イケる!日本男子初の“金字塔”照準

[ 2011年10月7日 06:00 ]

練習で笑顔を見せる内村

 ゴールドラッシュを狙え。体操の世界選手権は7日、東京体育館で開幕。団体総合で33年ぶりの金メダル、個人総合で史上初の3連覇がかかる内村航平(22=コナミ)ら日本男子は6日、国立代々木競技場で軽めの調整を行った。開会式で選手宣誓の大役を務めるエースは床運動、平行棒、鉄棒も加えた5冠に照準。日本男子史上最多となる1大会5個の金メダルも夢じゃない。

 開幕を翌日に控えても自然体は変わらない。公式練習を行った内村はリラックスした表情でトレーナーのマッサージを受けていた。器具に触れることなく1時間半の練習時間は終了。緊張感とは無縁のコメントとともに不敵な笑みを浮かべた。

 「徐々に試合をやろうという気が薄れてきた。(開幕まで)日が長いんで。それはいつものことなんで」。前日5日、本番会場での公式練習で床運動の演技中に両ふくらはぎがつるアクシデントに見舞われた。患部については「きょう(6日)は何もやってないんで分からない。たぶん大丈夫だと思うけど」と説明した。自国開催の大舞台にも「海外の選手から見られている気がする。“やる気あんのかな”って思われてるんじゃないですか」と笑った。

 エースが目指すのは前人未到の領域だ。団体総合で33年ぶりの金メダル奪回、個人総合で史上初の3連覇が目標だが、視線の先にはさらに壮大な夢がある。床運動、平行棒、鉄棒を加えた5冠。「今はスペシャリストばかり。昔と違って複数のメダルを狙うのは大変なこと」と話した塚原光男日本体操協会副会長(63)は、「(内村は)メダルは最大5個いける」と太鼓判を押した。

 過去の世界大会1大会で日本人選手が獲得した金メダル数は、68年メキシコ五輪、70年世界選手権リュブリャナ大会の中山彰規、74年世界選手権バルナ大会の笠松茂の4個が最多。92年バルセロナ五輪で金6個を獲得したシェルボ(ベラルーシ)には及ばなくとも5冠達成は間違いなく金字塔だ。種目別用に難度を上げた構成も用意。「これだけ準備したことはないですね」と内村は自信を見せる。最初の出番は9日の男子団体総合予選。体操ニッポンの大エースが黄金ロードを突っ走る。

 ▼小林研也 (内村)航平に引っ張ってもらいつつ、主将として安心してもらえるような演技や雰囲気づくりをしたい。

 ▼田中和仁 (団体決勝で失敗した)昨年のリベンジをしたい。団体で金、個人でもいい色のメダルを持ち帰りたい。

 ▼山室光史 試合だなと気持ちにスイッチが入り、盛り上がってきた。種目別ではつり輪と跳馬で決勝に残りたい。

 ▼田中佑典 初代表で一番年下なので、足を引っ張らないようにしたい。鉄棒で貢献し、団体金メダルを獲りたい。

 ▼沖口誠 最近の中では一番いい試合ができそうな気がする。得意な床運動と跳馬の(跳躍の)高さでアピールしたい。

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2011年10月7日のニュース