「互角にやれた」錦織、大会初勝利はならず 

[ 2011年6月23日 06:00 ]

男子シングルス1回戦でバランスを崩す錦織圭

ウィンブルドン選手権第2日

(6月21日 英ロンドン・オールイングランドクラブ)
 ウィンブルドン初勝利を狙った錦織だったが、元世界王者の熟練した試合運びの前に敗退。「互角にはやれていた。ちょっとの差だと思う」。現在、世界ランク130位のヒューイットには全盛期のスピードはないが、好機を確実にものにされた。

 悔やまれるのは第2セットだ。第6ゲームをブレークし、5―4で迎えた第10ゲームで40―0のセットポイントを迎えながら2度もダブルフォールトを犯してゲームを落とし、結局タイブレークでセットを失った。「きょうはサーブは一番ダメな点だった。あのダブルフォールトで流れが変わった」と肩を落とした。

 前哨戦で痛めた左膝にテーピングを施し、左足のまめと太腿を治療するなど体力面にも不安を残した。今後に貴重な経験になったかという質問に、うつむきながら「まあ…そうですね」と言ったが、本心ではない。4大大会でナダルやジョコビッチとも対戦している錦織にとって、今やヒューイットは経験を積ませてもらう相手ではなく、勝つべき相手だった。

 <ヒューイット 元王者の貫禄>元王者が貫禄を見せた。最近は故障が続き、世界ランキングを130位まで落としているヒューイットが集中力の高さとラリーの組み立てのうまさで、錦織をねじ伏せた。30歳の元世界1位は「とても満足だ。最近の状態を考えれば凄くうれしい」と素直に喜んだ。初めて対戦した錦織については「プレーの質が高い。バックハンドは世界レベルでフォアハンドは鋭い。危ない選手だ」と絶賛する表情にも余裕があった。

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2011年6月23日のニュース