杉本 日本女子初の2冠!「疲れましたぁ」

[ 2010年9月14日 06:00 ]

女子無差別級で優勝を決めた杉本は副賞の自動車に大喜び

 【柔道世界選手権最終日】女子無差別級では杉本美香(26=コマツ)が大会初日の78キロ超級に続いて金メダルを獲得し、女子史上3人目、日本女子初の2冠を果たした。

 女子柔道界に金字塔を打ち立てた。大会初日(9日)の女子78キロ超級で金メダルを獲得した杉本美香(26=コマツ)が、無差別も制して日本女子初の2階級制覇。「疲れましたぁ。超級の金メダルはうれしくて重かったけど、今は同じ色のメダルを獲れてホッとしています」。新女王が安どの笑みを浮かべた。

 オール一本勝ちで制した78キロ超級と違い、なかなか技が出ずに苦戦の連続だった。「調子が悪かった。体がまだ痛かったり、“気持ちを持っていくのが難しいなあ”って一丁前に考えていた」。塚田が出場した78キロ超級では「日本の2番手」という立場。気楽に思い切った柔道を展開できたが、塚田不在の無差別では「守りに入ったような柔道をしていた」(全日本女子・園田監督)。それでも同級決勝の再戦となった秦茜(中国)との決勝では重量級随一の技術を発揮。大外刈りを繰り出して体勢を崩し、一本背負いで有効を奪った。

 塚田が今大会で代表から引退することはテレビの報道で知った。「塚田先輩の分まで頑張らないとって気持ちになった」。2つの金メダルを手に入れた今、背中を追った先輩に代わり、日本女子重量級のエースを襲名した。「きょうは内容が悪かったんで改善したい。精神的にも強くならないといけない。秘密兵器もつくりたい」。重量級にしては小柄な1メートル66、100キロの体にたっぷりと可能性を詰め込んだ26歳は、これからも進化を続けていく。

 ◆杉本 美香(すぎもと・みか)1984年(昭59)8月27日生まれ、兵庫県伊丹市出身の26歳。11歳で柔道を始め、弥刀中から汎愛高、筑波大を経て、現在はコマツ所属。09年の全日本選抜体重別78キロ超級決勝で塚田を破って優勝。世界選手権では9日の78キロ超級で金メダル。組み手は右、払い腰、内股。1メートル66、100キロ。

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2010年9月14日のニュース