「6WD泳法」古賀 ライバル入江に2連勝

[ 2010年6月5日 06:00 ]

<競泳ジャパンオープン 男子背泳ぎ100>決勝で53秒5を記録しで優勝した古賀淳也

 競泳ジャパンオープン第1日は4日、東京辰巳国際水泳場で行われ、男子100メートル背泳ぎは昨年の世界選手権金メダリストの古賀淳也(22=稲泳会)が53秒51で制した。52秒24の日本記録を持つ入江陵介(20=イトマンSS)は53秒82で2位。今春から「6WD泳法」に取り組む古賀は入江との直接対決で4月の日本選手権に続いて2連勝。8月のパンパシフィック選手権(米アーバイン)、11月のアジア大会(中国・広州)へ向けて手応えをつかんだ。

 得意の先行逃げ切りでライバルを寄せつけなかった。第6レーンの古賀は得意のスタートで頭一つ抜けだすと、50メートルのターン後の浮き上がりでは第4レーンの入江を体半分リード。そのまま最後までリードを保ち、トップでゴールした。「強化の一環で出ているレースで、勝てたことは自信になる」。レースへ向けた調整なしで臨んだにもかかわらず、4月の日本選手権より0秒02遅いだけの53秒51。目標の52秒台には届かなかったが、納得のレースだった。
 4月の日本選手権後から、泳法の改良に取り組んでいる。従来は「キャッチだけだった」と、両手を広げると2メートルになる腕の長さを生かし、より遠くの水をつかむことを最大の推進力としていた。新泳法ではキャッチの際に軽く腕を曲げ、フィニッシュで力強くかき切る動作を導入。さらにキックも、足だけでなく腰を使う動きを取り入れた。キャッチ、フィニッシュ、キックで推進力を得る「6輪駆動が理想」。完成度は「7割ぐらいになった」と手応えは十分だ。
 日本オリンピック委員会(JOC)の選手強化キャンペーン、シンボルアスリートに競泳界では北島と入江が打診を受けたが、世界選手権金メダルの古賀にはなかった。「ネームバリューは彼のほうが上だけど、(12年)ロンドン(五輪)で金メダルを獲るのは僕ですから」。昨季直接対決で2勝5敗だった入江に今季は2戦2勝。ライバルの知名度の高さを認めつつも、勝負では負けないプライドがある。
 「サッカー日本代表のW杯4強」と「古賀のロンドン五輪金メダル」の可能性が高いのはどっちか?と問われると「それは僕の方がある」と即答した。日本の新エース候補は着実に自信を深めている。

 ≪男子100メートル背泳ぎの記録≫世界記録は昨季にピアソル(米国)が出した51秒94。日本記録は昨季に入江が出した52秒24。今季の世界ランキング1位は3月にタンコック(英国)が出した52秒85

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2010年6月5日のニュース