貴親方も全面協力!元大関・貴ノ花の追善興行開催へ

[ 2010年4月22日 06:00 ]

 現役時代は「角界のプリンス」と呼ばれ、師匠としても息子の若乃花、貴乃花の兄弟を横綱に育て上げた大相撲の元大関・貴ノ花(先代・二子山親方、本名・花田満、故人)の追善興行が12月5日に福岡・田川市巡業で開催されることが21日、分かった。相撲協会によると、巡業が「追善興行」の形式で実施されるのは珍しいという。現役時代に付き合いがあった地元後援者らが中心となって企画されたもので、部屋を継承した次男の貴乃花親方(元横綱、スポニチ本紙評論家)も全面協力する方針だ。

 先代・二子山親方と田川市は現役時代から深い結びつきがあった。1975年に行われた田川巡業で勧進元(主催者)を務めた今宮正輔氏が、当時大関だった貴ノ花と意気投合。3年後の78年に全国で唯一、しこ名の使用を許されたちゃんこ店「相撲茶屋 貴ノ花」を田川市内に開店し、有力後援者として支援した。
 今宮氏は先代が亡くなった後も貴乃花部屋の後援組織を結成。九州場所前には激励会の会場も提供している。命日の05年5月30日から5年が経過し、功績を称える「追善興行」実施の機運が高まる中、今年2月まで巡業部に所属していた貴乃花親方も田川市の活性化に必要なイベントとして開催に尽力。13日には実行委員会が発足し、本格的に準備を開始した。
 当日は会場となる田川市総合体育館に現役時代のパネルを掲示し、祭壇を設置。白鵬ら現役力士の黙とうなどのプランも持ち上がっている。前日の4日には、先代が最初に部屋を興した藤島部屋時代のOBらが「相撲茶屋 貴ノ花」に集結。2階に祭壇が設けられ追悼式を開く。貴乃花親方も「先代に対する地元の熱い思いがこめられた巡業になると思います」と期待を寄せた。

 ◆追善興行 悼んで悲しむという意味がある「追悼」と違い、「追善」には死後数年が経過して法会などの善事を行う意味合いも含まれる。90年以降では先代・三保ケ関親方(元大関・増位山)を追善した91年4月の姫路市巡業、先々代・春日野親方(元横綱・栃錦)を追善した93年10月の岐阜・明智町巡業、先代・井筒親方をしのんだ08年12月の鹿児島市巡業など数例しかない。

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2010年4月22日のニュース