朝青龍に刺激?栃煌山 全勝守る

[ 2008年3月15日 06:00 ]

垣添(左)を押し出し、全勝を守った栃煌山

 大相撲春場所6日目は14日、大阪府立体育会館で行われ、21歳の期待の星、栃煌山が垣添を押し出しで下し全勝を守った。場所前の稽古で明徳義塾高の先輩・朝青龍の闘魂に刺激を受け、連日前に出る気迫の相撲を披露。新入幕で11勝をあげた昨年春場所以来の快進撃で幕内前半戦を沸かせている。朝青龍も時天空を下し6連勝を飾ったが、大関陣はこの日も3人が敗れるなど低迷している。

【星取表
六日目結果
大相撲優勝額


 大勢の報道陣に囲まれるのは1年ぶりだった。白星を6個並べたホープは「内容はいいと思う。この1年間でいろいろ勉強させてもらいましたから」と満足そうに笑みをこぼした。6連勝をかけた垣添戦。気迫十分の栃煌山は思い切って踏み込んだ。下半身も安定しているから相手のいなしにも動じない。一気に前に出ると、そのまま力強い押しで垣添を吹っ飛ばした。

 昨年春場所、新入幕で11勝を挙げブレークを予感させた。だが、その後は故障などもあって4場所連続で負け越し。同期の豪栄道らが脚光を浴びる中、苦もんの日々を繰り返した。そんな悩める大器に希望の光を差し伸べたのは、明徳義塾高の先輩でもある朝青龍だった。春場所前の稽古。出稽古に来た横綱の迫力に圧倒される栃煌山に春日野親方(元関脇・栃乃和歌)がゲキを飛ばした。「畏縮(いしゅく)するな。(横綱のように)いつも攻めの姿勢を出せ」。その言葉で眠っていた大器の闘志に火がついた。今場所は見違えるような攻めの相撲で大変身。「止まったらダメと自分に言い聞かせていますし、それができている」と栃煌山。師匠も「少しは攻めの姿勢も出てきたのかな」と朝青龍効果を口にした。

 場所前に兄弟子の栃乃花、栃栄が引退。「自分が頑張って部屋を盛り上げないといけないと思う」と自覚も出てきた。稽古で胸を出している二十山親方(元小結・栃乃花)も「場所前はいつになくいい稽古ができたと思う。体も張りがあるし、ぶつかりで胸を出したら凄い勢いでした」と太鼓判を押した。4場所ぶりの優勝を狙う朝青龍への恩返しとばかりに、21歳の大器は無傷で横綱に並走している。

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2008年3月15日のニュース