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このゆびと~まれ

【第29回】深日小や子どもたちへの思い(梅プロジェクトの河野さんご夫妻へのインタビュー)

[ 2020年9月14日 05:00 ]

梅プロジェクトを支えてくれる河野さんご夫妻
Photo By スポニチ

 深日(ふけ)小には全校の子どもたちが楽しみにしている米作りと梅プロジェクトという食育学習があります。今回は、代表して梅プロジェクトでお世話になった河野さんご夫妻にお話をうかがうことにしました。

 長根――昨年は梅採りから始まり、梅干し・梅ジュースづくりなど、大変お世話になりました。早速なんですが、なぜ梅づくりを子どもたちに勧めてくださったのですか。

 ご主人――梅は体にいいんです。だから、子どもたちに勧めたい。特にうちは無農薬で大切に育てています。梅干しや梅ジュースにも添加物は一切入れません。だからこそ、本当においしくて体にいいものを食べてほしいんです。

 奥様――まずは子どもたちの顔を見るのが楽しみなんです。そして、地域で栽培されているものを採る、それをもとに梅干しとかを作る、それを作っている人の動きを見ることが大切だと思うんです。今は若い人がどんどん岬町から出て行ってしまっています。それが一人でも、二人でも残ってくれて。そして、「あー、やっぱりここがいいなあ」って思ってもらいたいんです。そして、いつか戻ってきてほしいなあって思うんです。それをね、この梅プロジェクトを通じて何か感じるんですよ。だから、これからもかかわっていきたいです。
 
 私はもう目がうるうるしながら、声にならない感じでインタビューのお礼を言いました。私たちが何年もかけて取り組み、子どもたちに伝えたい思いをまさに代弁していただいた思いです。河野さんご夫妻の思いはきっと児童たちに伝わっていると思います。そして、いつの日か河野さんたちの願いがかなうと信じています。

 それでは今回はこのあたりで。このゆびと~まれ。
          (長根 わかば)(次回掲載は21日)

 【深日(ふけ)】大阪府の最南端、泉南郡岬町にある深日は四国や淡路島への交通の要衝として繁栄した。地区人口は1971年の8059人から、2019年には3766人に減少。深日小学校の児童数も1978年は875人いたが、2019年には74人にまで減少した。大阪市内から電車で約1時間の場所にも、少子高齢化の波が押し寄せている。

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