×

野口健氏、能登被災地「避難所ガチャ」に思い 「日本の避難所はソマリアの難民キャンプ以下」の指摘も

[ 2024年2月13日 13:08 ]

アルピニストの野口健氏
Photo By スポニチ

 アルピニストの野口健氏(50)が、自身のX(旧ツイッター)を更新。能登半島地震の被災地を支援する中で感じた自身の思いを記した。

 野口氏は現在、自身の過酷な登山経験から、被災地に必要と思う寝袋やエアマット、携帯ウォシュレット、ソーラーランタンなどを被災地に届ける活動を行っている。

 そんな中、「今回、よく“避難所ガチャ”という言葉を耳にします」と投稿。「確かに避難所によって生活環境にかなり差がある様に感じられました」と私見を記した。

 「例えば避難所に被災自治体の職員が配置されている避難所と派遣されていないところではその差が明確に現れるケースも」とし、「被災自治体の財政から生じる差というものもあれば、首長の避難所への熱量の差から生じるケースもあるのだろうと」と、原因はさまざまなケースに起因すると指摘した。

 中でも「以前の災害時にダンボールベッドを持って行った際に“日本人は布団の文化。ダンボールベッドなど必要ない”と。またプライバシー保護の観点から“体育館の中にテントを張りたい”とご提案しましたら“被災者からプライバシーの確保云々という要望は上がってきていない。つまり、その必要性がないということ”と発言された首長がいらっしゃいました」と、実体験を告白。

 その上で、「海外の難民キャンプ、非難民キャンプでは“スフィア基準”が一つの目安になっています」と、海外では明確な基準があると主張した。

 「スフィア基準」について、「避難されてくる人々の人権をいかに守るのかがテーマ」といい、「スフィア基準の資料を熊本地震のテント村の際に入手し大いに参考にさせて頂いた。一人当たりに用意するスペースやトイレの数。例えばトイレにかかる時間は男性が30秒に対し女性は90秒。従って女性用トイレは男性用トイレの3倍の数を用意しなければならない。これ以外にも実に事細かく被災者への配慮がされている」と説明。

 「日本の避難所はソマリアの難民キャンプ以下」と表現された専門家もいたといい、「“え!”と思われるかもしれませんが、国際機関がスフィア基準に基づいて難民キャンプを設営していると。つまり、スフィア基準を念頭に入れて難民キャンプが作られている以上は、さほど格差が生じないとのこと。仮に海外の避難所が日本の様な雑魚寝スタイルならば暴動が起こるだろうと指摘する専門家も」と、この基準について詳細を述べた。

 その上で、「避難所ガチャを作らないためにも“日本版スフィア基準”を作るべき」と主張。「そして、各自治体が様々なアイテムを平時から用意をしておくこと。近くで災害が起これば、周辺の自治体が必要なアイテムを持って駆けつける」と呼びかけ。

 「災害大国日本はそうやって助け合いながら、国難と立ち向かっていくべきだと。被災自治体による避難所の運営には限界がある。被災自治体の職員とて被災者。また、忙殺され疲弊していく」と現状を訴え、「“日本版スフィア基準”の策定は急務であると強く強く訴えていきたい」と見解を記した。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「騒動特集」特集記事

2024年2月13日のニュース