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二度と起こしてはならない、決して忘れることはない…追悼式で遺族ら献花 知床事故から1年

[ 2023年4月24日 05:00 ]

知床観光船沈没事故から1年

 追悼式で馬場隆町長=23日の町長選で落選=は「このような事故を二度と起こしてはならない。私たちは決して忘れることはない」と式辞を述べた。町によると、乗客家族79人のほか鈴木直道知事ら、計133人が出席。白や紫の花で飾られた祭壇に手を合わせて順に献花した。斉藤鉄夫国土交通相は追悼の辞で「(国が)検査や監査を行いながら、事故が起こってしまったことを大変重く受け止めている」と述べた。

 息子と元妻の行方が分からない十勝地方の男性(50)は出席せず、23日夕、取材に「時間が止まってしまい、1年が早かったのか遅かったのかも分からない」と声を詰まらせた。
 79人のうち7家族の21人は式典後、網走市内に保管されているカズワンで献花。白いヘルメットを着用し、船体を間近に見つめていた。

 運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長は、町が追悼式の案内をせず、出席しなかった。馬場町長は終了後、理由を「式典を謝罪の場にしたくなかった」と説明。桂田社長側に「被害者家族に個別に謝罪するべき」と伝えたことを明らかにした。会場には桂田社長が贈った花が飾られていた。

 ≪観光船事故の経緯≫

 2022年4月23日 乗客乗員26人を乗せた観光船「KAZU 1(カズワン)」の音信が途絶える
 24日 第1管区海上保安本部が発見した10人の死亡を確認と発表
 27日 運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長が記者会見し謝罪
 29日 水深約120メートルの海底で船体発見
 6月1日 網走港で船体を陸揚げ
 16日 国土交通省が知床遊覧船の事業許可を取り消す行政処分
 9月10日 北方領土・国後島やロシア領のサハリンで見つかった3人の遺体が小樽港に到着
 10月12日 8月に発見された骨が乗客の男性のものと確認されたと1管が発表。犠牲者計20人に
 12月15日 運輸安全委員会が調査の経過報告を公表
 23年4月23日 発生から1年

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2023年4月24日のニュース