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中村俊輔氏 欧州CL準々決勝パリSG―バルサを占う エムバペの破壊力か 現代版トップ下ギュンドアンか

[ 2024年3月28日 04:45 ]

バルセロナ、パリSG予想スタメン
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 【月刊中村俊輔 3月号】22年シーズン限りで現役を引退し、現在は横浜FCのコーチを務める元日本代表MFの中村俊輔氏(45)がサッカーの魅力を語り尽くす「月刊中村俊輔」。3月号は来月に迫った欧州チャンピオンズリーグ準々決勝から、パリ・サンジェルマン(フランス)とバルセロナ(スペイン)の名門対決をピックアップ。独特な視点で両チームのキーマンや試合の展望などを語った。(取材・構成 垣内 一之)

 「パリSGがここに来て、システマチックで立ち位置が決まったルイスエンリケ監督のサッカーが浸透してきている」

 4強を懸けて激突する準々決勝。俊輔氏が注目チームの一つに挙げたのが、決勝トーナメント1回戦で日本代表MF久保が所属するRソシエダード(スペイン)を撃破したフランスの名門だ。

 「両チームはフォーメーション(4―3―3)も、同じポジションの選手のタイプも似ている。ソシエダードは(ボールを保持して)中盤を支配するチームだけど、パリSGはボールの動かし方、個でも圧倒的に上回っていた」

 結果は2戦合計4―1。中でも3得点を決めたフランス代表FWエムバペは改めて異次元な破壊力を示した。「やっぱり速い。ちょっとワンランク上。前線の他の2人(デンベレ、バルコラ)も含め、特にカウンターが魅力的。前線があれだけ強烈だと、他の選手はプレー選択がしやすい」

 そんな世界最高のストライカーを擁するチームを迎え撃つのが、今季限りでシャビ監督の退任が決まっているバルセロナ。

 「バルサはメンバー次第だと思う。(中盤で)ギュンドアン、ペドリ、デヨングが一緒にプレーできたらベストだけど、必ず誰かがケガをしている。特にアンカーが気になる」

 そのアンカーには最近、デンマーク代表MFクリステンセンが起用されているが、「彼は掃除役みたいなタイプで、デヨングが入った時と比べ、あまりボールがうまく回らない。そうなると(1トップの)レバンドフスキが前線で孤立する」と指摘する。

 では、バルセロナのキーマンは誰か。「ギュンドアンは不可欠な存在。セカンドトップとトップ下の中間のような選手で、ボランチにもなれる。現代サッカーのトップ下。FW、サイドの選手とも絡んで、ニアゾーンに入ったり、ポジション取りが本当にうまい」

 注目ポイントにアンカーの人選のほか、昨季までマンチェスターCでプレーしていたドイツ代表MFの存在を挙げた。

 見どころ満載の名門同士の激突。俊輔氏は最後に「何が起こるか分からないのがサッカー」と前置きした上で「パリSGは勢いに乗っている。リーグ戦で首位を独走しているし、欧州CLに集中できるから、多少、有利だと思う」と予想した。

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