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小島大叶氏 19歳でサッカー代理人資格取得 独学で語学習得

[ 2023年10月11日 07:00 ]

ディナモ・ザグレブに移籍した金子拓朗と写真に収まる小島大叶代理人

 【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】国際サッカー連盟(FIFA)は今月1日から、選手エージェント業務に関わる新たな規則をスタートさせた。それに先立ちFIFAは5月と9月の2度にわたって旧ライセンスを持たない仲介人、新規参入者を対象にライセンス試験を実施。合格者の中には20歳に満たない者もいた。小島大叶氏(たいと、19)だ。

 2004年7月生まれ。父は名古屋スカウトや京都で強化部長を務め、クロアチア1部ディナモ・ザグレブMF金子拓郎らの仲介人を務める小島卓氏(50)だ。「父が京都で強化部長を務めている時、チームはなかなか勝てていなかった。悩んでいる姿を見て何とか力になれないかなと思って、自分で外国人選手を調べるようになった」。まず映像確認。そして“良いかも”と感じた選手がいたら直接、海外の代理人会社の公式サイトにアクセスし、メールを送った。当時14歳。拙い英語だったかもしれないが、必死だった。

 時を同じくして、父親のつながりで当時J1札幌の社長を務めていた野々村芳和現Jリーグチェアマンと出会った。辣腕(らつわん)を振るい、サッカークラブを経営する姿に尊敬の念を抱いた。この世界で仕事がしたいと思った。そして野々村チェアマンから「将来のために英語を勉強した方が良い」との助言を受け、本気で英語の勉強に励むようになった。

 高校卒業まで海外留学をした経験はない。全て独学。そして海外の代理人にアタックすることを繰り返した。実践的な語学力を身につけ、今では問題なくコミュニケーションが取れるまでになった。全て英語でのテストだった9月のライセンス試験を一発でパスした。

 FWアンデルソン・ロペス(横浜)やFWレアンドロ・ダミアン(川崎F)ら数々の大物外国人のJリーグ移籍を実現させた稲川朝弘代理人からも話を聞き、世界と戦う気持ちを強めた。10代での資格取得は異例中の異例で、今夏海外移籍を果たした金子の交渉でも大きな役割を果たした。今後は日本とロンドンを拠点にする予定だが「まだ資格を持っているだけ」と謙虚に話す。「コネクションを作って良い仕事をしていきたい」。若い力で、日本サッカー界のさらなる成長に貢献する。 (飯間 健)

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