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米国代表 女子W杯国歌斉唱“拒否”がネットで賛否…過去にはMFラピノーが人種差別を抗議

[ 2023年7月24日 18:49 ]

<女子W杯1次リーグE組 米国・ベトナム>米国代表では国歌斉唱を歌わない選手が多くいた(ロイター)

 サッカーの女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会、史上初の3連覇を狙う米国代表が白星発進を飾った1次リーグE組初戦ベトナム戦、国歌斉唱での場面が米国内で物議を呼んでいるとスポーツ専門サイト「インサイド・ザ・ゲームズ」が報じた。

 米国代表は22日に行われたW杯1次リーグ初戦のベトナム戦、試合前の国歌斉唱でほとんどの選手が歌わずに沈黙。同サイトではこの行為に対し「チームの過半数が国歌を歌わないことを選択したことを受けて、米国では怒りが高まっている」と報道。一方で対戦相手のベトナム代表イレブンは国歌を大合唱していたと、両チームの差を伝えた。

 さらに「先発メンバー11人のうち胸に手を当てたのは5人だけで、他の選手は国歌斉唱中に腕を脇や背中の後ろに置くことを選択。MFホラン、MFアーツ、GKネイハーの3人が国歌を歌った唯一のメンバーだった」と説明。この沈黙はネット上で一部の米国ファンの逆鱗に触れ、“敬意の欠如”を示していると批判されていると報じた。

 ネットから批判の声が上がる一方で「野球選手も歌わないよ。これは合唱団ではなくサッカーチームだ」「正直、彼女らが無言で立ってくれて嬉しかった。ほとんどの人は歌わないと思います」「歌う必要はない、敬意を持ってそこに立っているだけで十分」「歌う必要はありませんが、少なくとも胸に手を当てるべきでしたね」「抗議活動はすべてのアメリカ人の権利です」「歌うべきかどうかは個人の選択だ」と“擁護の声”も多く上がった。

 これらの“騒動”を受けスペイン紙アス(電子版)でも24日、「米国代表選手たちが激しい批判にさらされている」と報道。この件に関しDFナオミ・ギルマが「大会では試合の準備をしている。国歌斉唱は焦点ではなく、最終的には各選手が選ぶことができるはず。私が言わなければならないのはそれだけだ」とコメントしたと伝えた。

 米国代表における“国歌斉唱問題”には過去にもスター選手のMFラピノーが16年9月のオランダ戦で人種差別への抗議として起立を拒否。試合開始時に膝をつき、警察の暴力行為に反対する意志を示して話題に。19年W杯フランス大会では「おそらく二度と国歌を歌わない」と発言。LGBTQや男女平等の権利を主張し、同調する選手も現れた。

 なお、前大会のMVPと得点王にも輝いたMFラピノーは38歳となった今大会も米国代表に選出。初戦のベトナム戦では後半16分から途中出場し、勝利に貢献。今季限りでの引退を表明しているとあって、ピッチに登場すると大声援を浴びる場面もあった。

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