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1メートル98の日大藤沢・森重 頭で2発 後半14分からCBに入った“二刀流”

[ 2022年12月30日 04:50 ]

第101回全国高校サッカー第2日・1回戦   日大藤沢2―0西原 ( 2022年12月29日    等々力 )

<日大藤沢・西原>前半、ヘディングシュートを放つ日大藤沢・森重(左)(撮影・久冨木 修)
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 1回戦の15試合が行われ、3年ぶり6度目の出場となった日大藤沢(神奈川)は西原(沖縄)に2―0で快勝した。来季J2の清水入りが内定しているエースFW森重陽介(3年)が、1メートル98の長身を生かして頭で2得点。センターバックとの“二刀流”を披露した直後に負傷交代したものの、自慢の高さでチームを勝利に導いた。履正社(大阪)は川崎F内定のFW名願斗哉(みょうがん・とうや、3年)のゴールなどで、東邦(愛知)に4―1で快勝した。

 “サッカー界の大谷翔平”が、いきなり魅せた。前半13分に右クロスを右足で合わせた森重は、相手DFに当たって跳ね返ったボールを頭で冷静に流し込み先制。後半3分には再び右クロスからDF2人にマークされながらも、ひときわ高い打点でネットを揺らした。守備陣も相手攻撃陣を完封し、2―0快勝。1メートル98の長身を誇るエースは「ヘディングで2点取れたのは良かった」と冷静に振り返った。

 中学まではセンターバックが主戦場だったが、東京Vユース昇格がかなわず、進学した日大藤沢でFWにも挑戦。今では大谷のようにリアル二刀流をこなす。この日も2点をリードした後半14分からセンターバックに入った。その直後に右ふくらはぎがつって交代となったが、佐藤監督は「決めてはいけないと思っているぐらい、両方で可能性はある」と太鼓判を押す。入団内定の清水でもDF、FWで2度練習に参加。FW登録となったが、両位置で大きな可能性を秘めている。

 背番号は去年から「XLのサイズがあった唯一のユニホーム」との理由で19番を選択。今年は体がさらに大きくなり「3XL」を着用する。スパイクのサイズは30センチ。50メートル走は6・2秒で、1500メートル走は4分30秒。高さ、スピード、体力、技術と4拍子そろっている。

 またも8強の壁に阻まれたW杯カタール大会で日本の攻撃の課題が改めて浮き彫りになった。世界レベルのストライカー育成は必須。森重も「いずれは(W杯の舞台に)立ちたい」という。2回戦は31日に優勝候補の米子北(鳥取)と対戦。「どんどん点を取っていきたい」。神奈川県勢としても初となる選手権制覇へチームをけん引する。

 1メートル98の森重は今大会出場選手で最も背が高い。1メートル90以上は10人で、FW登録では他に大津の小林俊瑛(1メートル91)、日体大柏のオウイエ・ウイリアム(1メートル90)の2人。高校選手権の過去の長身FWでは、01~03年度の3大会に出場し、歴代最多17得点を挙げた国見の平山相太(1メートル90)らがいる。
 
 ≪今大会最長身≫来季清水入りすると、Jリーグの歴代日本人では元J3鳥取のFW畑中槙人(2メートル5)、J2金沢のGK中野小次郎(2メートル)に次いで3位タイの長身選手になる。W杯カタール大会ではオランダGKノペルトの2メートル3が最も高く、1メートル98はオーストラリアDFスーターと並び4位相当。

 ◇森重 陽介(もりしげ・ようすけ)2004年(平16)4月5日生まれ、神奈川県出身の18歳。横浜市の少年クラブ「JFC FUTURO」で本格的にサッカーを始め、東京V(現J2)のジュニアユースを経て日大藤沢に進学。憧れの選手は元日本代表MF本田圭佑で、好きなチームはマンチェスターC。1メートル98、86キロ。利き足は右。家族は両親、妹。血液型O。

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2022年12月30日のニュース