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【名古屋・稲垣祥 独占手記】僕は凡人―優勝に必要だった8年間 報われた命懸けのコンディションづくり

[ 2021年10月31日 07:00 ]

ルヴァン杯決勝   名古屋2―0C大阪 ( 2021年10月30日    埼玉 )

名古屋MF稲垣(C)N.G.E.

 チームとして最近2週間、ACLから絶望に近いような苦しい時期が続いたのですが、一枚岩となってやれました。本当に最高です!プロ8年目で初タイトル。長かったなと感じることもありますが、一つひとつの成長がなければたどり着けなかったですし、個人的にはベストなタイミングだったと思います。

 FC東京U―15からU―18に昇格できなかったように、僕は学生時代からトップでプレーしていたわけではありません。“凡人選手”です。他の選手に追い付き追い越すには、常にピッチ外でも自分自身と向き合い、安定したプレーを見せることに尽きると考えてきました。

 広島所属時から身体操作能力を高め、体を自在に扱えるようになるためのトレーニングや連戦時のリカバリー能力を高める練習法を取り入れています。2年ほど前からは鈴木啓太さんの会社が開発したサプリを飲ませてもらっています。あと、朝は白湯(さゆ)を飲む、睡眠データの計測、試合前後のケア…。コンディションづくりに命を懸けているといっても過言じゃないほどいろいろやってきました。その積み重ねがリーグやルヴァン杯の結果に表れていると実感しますし、その意味で必要な8年間だと思います。

 今季はA代表にも初めて選出されました。森保監督には僕が広島に移籍した1年目の17年に半年間だけ指導を受けました。出番がもらえない苦しい時期でしたが、ここでの振る舞い方でキャリアが変わると思い、行動や発言、練習態度に気をつけるよう心掛けてきました。だから森保さんに“代表の舞台で一緒に仕事ができるのは誇り”と言ってもらえた時はうれしかったですし、当時があったから現在ここにいるんだと胸を張って言えます。

 リーグ戦ではACL出場圏内も狙えます。名古屋が本来いるべき立ち位置に戻りつつあります。今後もファミリーの皆さんの後押しをお願いいたします。(名古屋MF)

 ◇稲垣 祥(いながき・しょう)1991年(平3)12月25日生まれ、東京都練馬区出身の29歳。帝京―日体大を経て14年に甲府入団。17年に広島移籍。20年から名古屋へ完全移籍。21年3月にA代表に初選出され、アジア2次予選モンゴル戦で2得点。国際Aマッチ通算1試合2得点。帝京の1学年後輩にはタレントのローランドがいる。1メートル75、70キロ。右利き。

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2021年10月31日のニュース