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東京Vの加藤があの横綱から教わったもの

[ 2021年5月7日 18:25 ]

 【大西純一の真相・深層】東京VのCBとしてフル回転している加藤弘堅(32)は、2年前に聞いたひと言でサッカー選手としての心がけが変わった。北九州に所属していた一昨年、知人を介して大相撲の横綱・白鵬とちゃんこを囲みながら話す機会があったという。そのとき白鵬から「簡単なことを毎日やることが大事。当たり前のことを当たり前にやる。それが成果につながる。まあいいやと思わずにやることが難しい」という話を聞いた。言っていることは簡単なことで、だれでもできること。だが、実際に実行できる人はそれほど多くないかもしれない。しかもその言葉を「あそこまで優勝を積み重ねた人から聞いたことが大きい」と、幕内優勝最多の横綱の口から直接聞いた事が大きなインパクトだった。

 チームのホームページのプロフィールにも加藤は「プロ選手として心がけていること」の項目に「当たり前のことを当たり前にする」と答えている。それぐらい響いたひと言だった。食事、睡眠、練習、体のケアなど、当たり前のことを当たり前にやるだけで、効果があった。元々大きなケガをしたことはなかったが、ここ2年間は試合に出られないほどの疲労を感じることもなく、選手として成長を感じた。

 加藤は市立船橋高校時代からMFとして活躍、高校総体で優勝、U-18日本代表などにも選ばれた。高校卒業後は京都に入団、富山、群馬、北九州を経て今季から東京Vに加入、ボランチが本職だが今季はCBとして出場することが多い。高さもあり、ベテランらしい落ち着いたプレーでチームの守備を支えているが、時折見せる前線へのパスも魅力だ。

 大相撲とJリーグと種目は違うが、スポーツに対して、根底にあるものは同じ。極めた人のひと言がいかに大きいか、今後の加藤の活躍が注目だ。

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2021年5月7日のニュース