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J2大宮・高木監督「きめの細かさ」念頭に 昇格へ「今年は良いチャンス」

[ 2019年2月18日 14:04 ]

大宮・高木監督
Photo By スポニチ

 J2大宮の監督に就任した高木琢也監督(51)が開幕を前に、どういうサッカーを目指すかなどを語った。

 ―まもなく開幕ですが、チームの仕上がりはいかがですか。

 高木監督 割と早く3バックの形がつくれてきた。細かい部分はまだだが、あとは試合をやりながら、相手に応じてやっていく。開幕前の段階として、全体像はある程度できたので、開幕してからプラスアルファを高めていく。

 ―大宮は伝統的に4―4―2でしたが、今季は3バックにしました。

 高木監督 4バックの選択肢もあったが、私は3バックでずっとやってきたし、選手の顔ぶれを見てもその方がいいかと思った。

 ―チーム作りのポイントはどこに置いていますか。

 高木監督 きめの細かさです。切り換えが遅かったり、リスタートで隙を与えるなど詰めが甘いと勝てない。チームはゲームを積み重ねながらつくっていき、自信を深めるもの。いまの段階では本当の意味の自信ではない。試合の中で相手の攻撃に耐えて、点を取れる形をつくれて初めて本当の自信がつく。隙を与えないことは、就任してから口酸っぱくいっている。

 ―どんなサッカーを目指しているのですか。

 高木監督 「J1でも戦えるチーム」に基準を置いていて、「J2のプレーでなく、J1の基準でやってほしい」と、選手にも言っている。例えば守備では、前線からボールを取りに行くのか、真ん中でセットして守るのか、リトリートして引いて守るか3つあるが、できるだけ高いレベルのプレーを求めていきたいので、最初からリトリートはあり得ない。そうしないとJ1に上がっても戦えないし、チームとしての力にならない。

 ―選手にはどんなことを求めているのですか。

 高木監督 サッカーとしては、常にアクションを起こして攻める、守る、自分たちが動いてゲームを支配すること。精神的には常にチームを考えてほしい。これがないと、チームは勝てない。僕が言えば選手は応えてくれる。言わなければいけないことは言っていくし、遠慮はしない。そういうところも足りなかったのではないかと思う。

 ―外から見ていた大宮と、実際に指揮を執ってみた印象は違いましたか。

 高木監督 環境や施設はJ2の中では飛び抜けている。もっとチャレンジするチームにならなければいけないと感じている。おとなしい選手が多く、指示待ちしている感じがある。個人としても、チームとしてももっと進化する姿勢を持てば、もっといいプレーができる。そこが欠けている気がする。でも、昨年のことはわからないが、選手が話しだした感じがする。指示に対して反応がいいし、映像を見せればやろうとする。潜在能力は高いし、できることが多い。そういうところもしっかり見て選手を成長させたい。

 ―J2の指揮が長く、「J2の勝ち方」も熟知されている。

 高木監督 でも年々変わってきている。長崎の時のことは少し参考になるが、初めて指揮した06年の横浜FC時代と同じことをしても駄目だと思う。J2は後半戦になるとJ1昇格を懸けて勝ち点を取ろうというチームが増えてくる。そういうチームに対してはチームに「幅」が必要になる。大宮はシモヴィッチのように長身の選手もいるので、チームの形を変えなくても、例えばシモヴィッチを含めて2トップにしただけで「幅」ができて表現の仕方が変わる。

 ―06年の横浜FCと、17年の長崎で二度昇格の実績もある。

 高木監督 横浜FCの時は、監督になったばかりで、昇格して満足してしまい、J1で何もできなかった。そこからもう一度勉強し直した。お陰で、「こういうときはこういうトレーニングで対処」「それでもうまくいかなければ、こういうトレーニング」ということは身についた。

 ―高木監督が理想とするサッカー像はどんなものですか。

 高木監督 「相手を閉じ込める」というもの。相手のコートでゲームを進め、ボールを取られた瞬間に取り返してまた早く攻める。こうして攻守の切り換えを素早くすれば、ボールを保持する時間が長くなる。グアルディオラがバイエルンMでやっていたサッカーに似ているが、バイエルンMはショートパスだけでなく、ダイナミックなパスも使っていた。

 ―昔から海外のサッカーもよく見ていました。どんなところを参考にしているのですか。

 高木監督 特定のチームを見ているのではなく、その時その時で違う。最近はマンチェスターCやバルセロナも見る。ただ、チーム全体というより試合の局面を見る。マンチェスターCはサイドバックが中に入り、人を増やしているが、参考にする部分もある。実際、昨年試合で似たようなことをやった。アイデアが浮かんだときに、それを具現化する参考にする感じ。

 ―今季まもなく開幕します。自信のほどは。

 高木監督 大宮はいいサッカーができると思っている。でも、勝負の世界は段階を追ってやれば勝利につながるわけではない。突然変異もあるので、今は「計算できるものはできてきた」という感じだ。選手は昨年いい結果を出せなかったから、今年はより思いが強い。何年も上がれないとマンネリ感が出てしまうし、今年は良いチャンスだと思う。

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2019年2月18日のニュース