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G大阪ツネ様、初陣は鹿島とドロー 高卒2年目・高を先発抜てき

[ 2018年7月29日 05:30 ]

明治安田生命J1第18節   G大阪1―1鹿島 ( 2018年7月28日    パナS )

イレブンに指示を出す宮本監督(撮影・北條 貴史)
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 上々の発進だ。パナソニックスタジアム吹田ほかで5試合が行われ、G大阪は鹿島とホームで1―1で引き分けた。J2降格圏16位の低迷を受けて解任されたレヴィー・クルピ前監督(65)の後を受け、U―23監督から昇格した宮本恒靖新監督(41)の初采配はドロー。試合終盤は一方的に押し込むなど、今後に期待が持てる内容だった。

 初めてのタクトでも、ツネ様はツネ様だった。「試合の変化を見ながら、どちらのチームが優勢になるのかとか、自分としてはある程度冷静にやれた」。初陣を終えた宮本監督は、努めて淡々と自身初采配を振り返った。

 冷静かつ情熱的。試合中、ほとんどの時間でコーチングエリアに立った。身ぶり手ぶりで指示を送り、良いプレーには惜しみない拍手を送った。ピッチサイドに来た選手にはアドバイスも与えた。勝ち点1にとどまり「勝利を届けたかった」と、これまで苦い思いをし続けているサポーターをいたわった。

 ピッチ内での変化は攻守で見て取れた。スタメンにはU―23監督時代から鍛え上げた高卒2年目のMF高宇洋を抜てき。「トップチームの試合を見ている中で中盤の守備は一つ改善点だった」。クルピ体制ではあいまいだった守備では、中盤をコンパクトにすることに着手した。「できる限り、外(のエリア)でプレーさせるという確認をしてきた」と元日本代表MF遠藤。25日の監督昇格後は3日間しか準備期間はなかったが、鹿島の中盤のストロングポイントを消すことに成功した。さらに攻撃ではポゼッションだけではなく、速攻も織り交ぜた。そして勝負どころでの交代カードは全て攻撃的。「常に頭を使ってプレーする」ことをモットーとする新指揮官のエッセンスが、随所に散りばめられていた。

 23日にクルピ監督が解任。打診されたのは当日朝だった。自身の描いていたタイミングではなかった。悩んだ。動かしたのはユース時代から19年間、お世話になったクラブへの愛情。覚悟と決意を持って就任を受諾した。

 「ロッカールームでは“これからもっとやっていくぞ”という雰囲気があった」

 次戦は敵地・磐田戦(8月1日)。変われそうな手応えは感じつつも、まだ苦しい立場に立たされていることは変わりない。ツネ様の精かんな顔が、より一層引き締まった。

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2018年7月29日のニュース