×

11点中8点!サウスゲート監督 セットプレー改革実って4強

[ 2018年7月9日 05:30 ]

ロシアW杯準々決勝   イングランド2―0スウェーデン ( 2018年7月7日    サマラ )

<スウェーデン・イングランド>試合終了後、サポーターにむかってガッツポーズするイングランド・サウスゲート監督(撮影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 7日に準々決勝2試合が行われ、イングランドはスウェーデンに2―0で快勝し、90年大会以来28年ぶり3度目の準決勝進出を果たした。クロアチアは開催国ロシアと2―2で突入したPK戦を4―3で制し、初出場で3位となった98年大会以来2度目のベスト4入り。これで4強が出そろい、欧州勢の独占は3大会ぶり5度目。決勝進出を懸け10日にフランス―ベルギー、11日にクロアチア―イングランドが行われる。

 イングランドの“新たな武器”で相手堅守を打ち破った。前半30分のCKで密集地からほぼフリーとなったDFマグワイアが頭で先制弾。CKからの得点は今大会4点目だった。チーム11点のうち8点がセットプレー(CK4、PK3、FK1)絡みで、マグワイアは「練習の成果が出ている。監督、コーチのおかげ」と感謝した。

 セットプレーは弱点だった。英メディアによると、12年欧州選手権、14年W杯、16年欧州選手権の3大会は計72回のCKで無得点。16年欧州選手権では本来は決める役割のFWケーンがCKを蹴って批判を浴びた。

 16年に就任したサウスゲート監督は「セットプレーは本当に重要」と改革に着手。米プロスポーツのNBA、NFLの試合、練習を現地で視察しヒントを得た。専門家のラッセル・コーチとともに、相手選手をブロックしてフリーになる動きや、個々の詳細な役割を取り決めたデザインプレーなどをサッカーに応用し、チームに注入した。

 またイングランド4部リンカーンの「ラブ・トレイン」と呼ばれる作戦も採用。ゴール前の選手が一列に固まってから走りだす動きで相手を混乱させた。47歳の指揮官は他競技や下部リーグなどを幅広く研究。W杯過去3戦全敗だったPK戦で勝つため、5人1組のパターゴルフ対決練習を採用するなど、サッカーの母国に柔軟なアイデアを持ち込み弱点を克服。若いチームを成長させ、28年ぶりの準決勝進出に導いた。

 「ここまで来た選手やスタッフを誇りに思う。若いチームは成熟し、まだ成長している」とサウスゲート監督。勢いに乗って準決勝でクロアチアを破り、自国開催で優勝した66年大会以来52年ぶりの決勝進出を目指す。

続きを表示

この記事のフォト

2018年7月9日のニュース