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トルシエ氏「勝ち点1」の鍵は長友、麻也、香川の起用法 問われるチームの成熟度

[ 2018年6月28日 12:30 ]

W杯1次リーグH組   日本―ポーランド ( 2018年6月28日    ボルゴグラード )

トルシエ氏がキーマンの一人に挙げる長友(撮影・西尾 大助)
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 02年日韓W杯の日本代表監督、フィリップ・トルシエ氏(63)が、西野ジャパンへ提言。決勝トーナメントに進むための方策を語った。

 ポーランドは既に決勝トーナメント進出の可能性がなくなっているが、国の名誉とプライドを懸けて向かってくる。ナバウカ監督も20年の欧州選手権を見据えて若い選手を起用するはずだ。レバンドフスキらベテランは最後かもしれないW杯をいい結果で終わりたいと考えているし、若手はがむしゃらにプレーして監督にアピールしようとする。

 実際、オーストラリア―ペルー戦から多くのことが学べる。オーストラリアは決勝トーナメント進出の可能性が残り、ペルーは既に1次リーグ敗退が決まっていた。結果はペルーがいい試合をして2―0で勝利。モロッコも試合終了間際までスペインを混乱させて2―2で引き分け。ポーランドもプレッシャーのない状況で向かってくる。日本にとっても大きな挑戦だ。

 そして忘れてはいけないのは、H組は3チームに決勝トーナメント進出の可能性が残されているということ。同時刻に行われるセネガルとコロンビアは日本の経過を注意深く観察している。この事にも向き合わなければいけない。

 日本は勝ち点1を取れば次に進めるが、チームとしての成熟度が問われる。カギは経験のある選手をいつどこで起用するか。長友、吉田、香川らの経験を生かせば日本が望む結果は出るはずだ。

 ただ、長谷部は既にイエローカードを1枚もらっているので累積で出場停止となることを避けるために、山口を使う可能性がある。山口は長谷部とはタイプが違うが、チームのクオリティーが落ちることはない。長谷部はベンチにいても重要な選手であることに変わりはない。最も重要なことは、パニックにならないことだ。試合は0―0から始まる。そのまま行けば決勝トーナメント進出に必要なポイントが得られるということを忘れないことだ。

 状況は私が監督を務めた02年W杯のチュニジア戦に向かう時と同じ。選手も、そしてチームの中にいる全員が100%集中する必要があるが、ピッチに立つ前に頭の中で試合をしてしまわないことだ。日本代表が冷静に戦えれば心配はないだろう。 (02年W杯日韓大会日本代表監督)

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2018年6月28日のニュース