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必要だった長友の“逆境での強さ” ハリルJ痛すぎるキーマン不在

[ 2016年10月9日 12:20 ]

日本代表練習中、槙野と接触して負傷した長友
Photo By スポニチ

 痛い、痛すぎる。DF長友佑都の離脱。しかも練習中の接触プレーで脳振とうを起こしてしまったという不運。決戦の地メルボルンに背番号5の姿はなかった。オーストラリア戦では長友がキーマンになると予想していたが、またもハリルジャパンには逆風だ。

 このW杯予選に向け、長友は密かに照準を合わせていた。今季、インテル・ミラノでは出場機会が激減。コンディション、試合勘が危惧される中、日本代表のW杯アジア最終予選から逆算し、先月30日には自主的に体を追い込んだ。「運動量、アジリティー、クロス。かなり上げてトレーニングしてきた」。表情は自信に溢れていた。

 9月のUAE戦(1―2)がどれほど悔しかったことか。この時も長友は合流直前に右ふくらはぎを痛めて離脱。「ホームで初戦の負けは考えてもいなかった。スタートとしては最悪です」。力になれなかった無念、悔しさをにじませた。だから6日のイラク戦ではベンチスタートも力の限り戦った。途中出場の山口蛍には「試合を決めて来い」と声をかけ、あの劇弾を後押しした。

 逆境での強さは折り紙付きだ。昨季、ほぼ戦力外という状況から這い上がり、シーズン途中でレギュラーを再奪取。シーズン中盤に3年総額15億円という契約延長を勝ち取った。不屈の精神、苦しい時こそ力を発揮する。1次リーグB組最大の敵、オーストラリア戦では長友の力が必要だと考えていた。

 過去、W杯最終予選で2敗してW杯に出場した実績はない。オーストラリアとのW杯予選での対戦成績は4敗3分けと圧倒的に分が悪い。内容次第では、ハリルホジッチ監督の更迭も時間の問題だが、そんな時に長友がいない。メルボルン入り後、やけに寒気に襲われる。昼と夜では10度以上の差がある寒暖差の影響か、それとも何か悪い予感なのか。前者であることを祈る。 (記者コラム)

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2016年10月9日のニュース