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鬼門突破へ!清武 豪を制するには“決闘回避”も視野

[ 2016年10月9日 05:30 ]

<日本代表練習>柏木(左)と笑顔を見せる清武
Photo By スポニチ

 日本代表は8日、W杯アジア最終予選第4戦のオーストラリア戦(11日)に向けて決戦の地メルボルン入り。午後は市内のレークサイドスタジアムで、約1時間のトレーニングを行った。トップ下での2戦連続出場が予想されるMF清武弘嗣(26=セビリア)は“脱デュエル”の戦い方を視野に入れていることを明かした。

 デュエル(決闘、球際の強さ)だけでは戦えない。清武はためらうように、だがどこかで迷いを吹っ切るように言い切った。「デュエルももちろん必要だけど、デュエルを避ける、かわすことも考えないといけない」。ハリルホジッチ監督が掲げてきたキーワード偏重を否定。さらなる高みを見据えた。

 オーストラリア戦を3日後に控えた現地での初練習。MF香川に代わって先発した6日のイラク戦を振り返った司令塔は、こう話した。「攻撃が単調になりすぎたところもあった。もっとボールを触ってリズムをつくっていいところもあったし、縦に急ぎすぎているところもあった」

 「デュエル」「縦に速いサッカー」――。この2つは、いわばハリルホジッチ監督の代名詞。日本代表が遂行し続けていたスタイルだ。だが、これに一辺倒になっては勝てないという“ハリル離れ”の空気が、オーストラリア戦を前に、チーム内で充満している。

 兆候は以前からあった。イラク戦前には主将の長谷部らが中心となりイレブンから指揮官にミーティング時間の短縮、練習の負荷軽減などを打診。イラク戦本番では、1―1の終盤に、監督からではなく選手の判断でパワープレーが行われたことを選手たち自身が証言している。

 もちろん、監督の理想とするスタイルがはまるパターンもある。イラク戦での1点目は、鮮やかなカウンターから生まれたものだった。「あれが理想」と話した26歳は続けた。「あれが毎回できるわけではない。その時にボールを落ち着かせながらボールを保持して攻めていくことがこれから大事になってくる」

 過去オーストラリアとはW杯予選で4分け2敗。メルボルンでの国際Aマッチは4戦4敗という負のデータもある。負ければ再び監督解任騒動は避けられない。監督の求めるサッカーで自滅すれば、W杯6大会連続出場も危ぶまれる状況だ。

 決戦に向け、「試合中にどういうふうに自分たちが判断できるかが大事になってくる。日本らしい試合ができないと、次の試合は厳しくなる」。ハリルホジッチ監督の教えはベースにある。だがそれだけではない。選手自身が自立し、新たなステージへ。指揮官のスタイルから脱皮したサッカーで鬼門突破を目指す。

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