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新生なでしこ 今はチャレンジの時期 高倉監督が求める個の強さ

[ 2016年7月30日 09:30 ]

2度の海外遠征を終えたなでしこ高倉新監督

 4月に発足した新生なでしこジャパンが、2度の海外遠征を終えた。高倉麻子新監督(48)が指揮官に就いたのは4月27日。3カ月あまりの間に、6月には米国遠征を行い、今月はスウェーデン遠征を行った。4戦のうち白星を挙げたのはスウェーデンのクラブチーム、クリスティアンスタッドとの練習試合のみ。だが、指揮官は言う。

 「今はチャレンジの時期。選手の選び方にしても、試合に臨むポジションやシステムにしても、新しいこと、今しかやれないことをやっていこうと、積極的にチャレンジしている」

 言葉通り、メンバーは従来のなでしこジャパンから一新し、幅広いカテゴリーから招集。ピッチ上でもセンターバックでの起用が多かった熊谷紗希をボランチに起用するなど、枠にとらわれない、選手の幅を広げるコンバートを試した。新しいトライには失敗もつきもの。だからこそ、今はまだ「結果=成果」と捉える時期ではない。

 ただ、スウェーデン遠征帰国後の高倉監督は、ある反省材料を口にした。それは「ペナルティーエリア内での個の強さ」についてだ。スウェーデン戦では後半31分以降に立て続けに3失点。守備しかり、無得点だった攻撃も「ボールを保持している時間はあるけけど、バイタル(エリア)から入っていけない、シュートまでいい形で作れなかった」と悔やんだ。

 「個の力」とは何か。それは「全てにおいてのテクニック、状況判断、フィジカル的なパワーを付けること、シュートの力でもある」と説明する。身体能力の高さだけではなく、判断力も兼ねそろえた局面での“総合力”。国内で通用することに満足せず、「もう一つ上に行こう」と選手に何度も強くレベルアップを求めたという。

 今後は9月と12月に3~4日の国内合宿を予定している。短期間でも定期的に集まることで、個の力の強化というイレブンに課した“宿題”の成果も見え、目指すスタイルを確立していくことが可能だ。「チームとしての方向性は少しづつみんなが理解して、コミュニケーションを取りながらやってくれている」と指揮官。順風満帆の船出とは言えなくとも、チームは前へと進んでいる。(波多野 詩菜)

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2016年7月30日のニュース