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G大阪 劇的7年ぶり4強!敗退寸前ロスタイム米倉弾!

[ 2015年9月17日 05:30 ]

<G大阪・全北>後半ロスタイム、米倉(中央)は勝ち越しゴールを決め、イレブンから祝福を受ける

ACL準々決勝 東地区第2戦 G大阪3―2全北

(9月16日 万博記念競技場)
 劇的過ぎる結末で4強に進出した。ホーム万博競技場でACL準々決勝・全北(韓国)との第2戦に臨んだG大阪は、DF米倉恒貴(27)が試合終了直前に決勝ゴールを叩き込んで3―2で勝利。敵地でスコアレスドローに終わった第1戦との2戦合計も3―2となり、優勝した08年以来、7年ぶりにベスト8を突破した。Jリーグ勢としても13年の柏以来のベスト4となった。決勝進出をかけて9月30日と10月21日に、中国王者の広州恒大と激突する。

 筋書きのないドラマは、最高のエンディングを迎えた。ロスタイム表示4分で迎えた後半48分。途中出場の米倉が金正也のパスを受け、左足で執念のゴールをねじ込んだ。一度は手放しかけた4強切符をもぎ取る起死回生の一撃。「こういうゴールは取ろうと思っても取れない。うれしかった」。選手やスタッフとともに喜びを爆発させ、万博は歓喜の色に染まった。

 うっ憤を晴らす決勝弾だ。敵地での第1戦は、遠征したフィールドプレーヤー唯一のベンチ外。この日も途中出場のサイドバックは「悔しさはありましたけど、それが現状。出たら結果を出したいと思っていた」と危機感を力に変えた。長谷川監督とは試合2日前に“個人面談”をして課題を確認。昨年、J2千葉から「成長するために」加入した背番号14が輝きを放った。

 崖っ縁からの大逆襲だった。第1戦は0―0だったが、前半13分に失点。アウェーゴールを許し、ドローでも敗退という危機に陥った。勝つしかない状況で、後半31分には倉田が鮮やかなミドルを決めて勝ち越し。だが、終了間際の43分、まさかの同点弾を許した。それでも諦めなかった。倉田は「ACLは連敗スタート。どん底を味わったから」と振り返った。昨季も降格圏16位から浮上しての3冠達成。逆境をものともしないメンタルこそ底力だった。

 3点目の後、喜びのあまりピッチに入ってしまった長谷川監督は退席処分を受け、準決勝の第1戦はベンチに入れなくなった。「はしゃぎすぎましたね。監督の至らないところを選手に助けてもらった」。苦しみ抜いた末につかんだうれしい白星に、感情があふれ出た。

 Jクラブ最後のとりでとして、プライドを示した3冠王者。次戦に指揮官はいないが、代わりに出場停止処分の明けたエース宇佐美が帰ってくる。今季の最大目標に掲げるアジア王者の座が、はっきりと視界に入ってきた。

 ▼全北・崔康熙(チェガンヒ)監督 多くの時間をかけて準備してきた。選手全員、非常に体が重いと感じたし、残念な結果となってしまった。

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2015年9月17日のニュース