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本田興奮「雰囲気違う」 ミラノダービー初の日本人競演実現

[ 2014年11月25日 05:30 ]

インテル・ミラノ戦の後半、シュートを放つACミランの本田(右)

 ACミランの日本代表MF本田圭佑(28)が伝統の“ミラノダービー”で新たな歴史を刻んだ。23日、日本代表DF長友佑都(28)が所属するインテル・ミラノと両チームの本拠地であるジュゼッペ・メアッツァで対戦し、1―1で引き分けた。本田はリーグ戦で今季初のベンチスタートとなったが後半28分から出場。世界的なダービーで初の日本人競演を果たした。

 両軍サポーターの視線がピッチ脇に立つ背番号10に注がれた。1―1の後半28分、FWフェルナンド・トーレスに代わって本田がピッチに登場。8万人近い大観衆で埋まったスタジアムの大歓声を受け、初めてダービーのピッチに立った。すでに先発出場していた長友と試合終了まで17分間の初競演。ツイッターなどの情報によると日本代表のアギーレ監督も観戦に訪れていたもようで、100年以上もの歴史を持つ“ミラノダービー”で2人の日本人が新たな扉を開いた。

 「ウオーミングアップの時から普段の(スタジアムの)雰囲気とは違うなということを感じてましたし、きょうのファンは普段(試合日に)どこに行っているのかなと…」

 今季初のリーグ戦での先発落ち。悔しさはあったが周囲を見渡せる余裕もあった。そして出場4分後の32分、右サイドのドリブル突破からブラジル代表DFドドを切り返しでかわして左足でシュートを放った。「イメージ的にはアウト巻きで右サイドに左の方に曲がりながら吸い込まれていくというような蹴り方」。GKにキャッチされて5試合連続無得点に終わったが、スタジアムの熱い雰囲気を力に変える強さを見せた。対戦相手の長友も「僕らも疲れている時間帯に彼が入ってくるので、もう最悪だなと思った。キープ力も高いし体も強いので、あらためて敵にして嫌な選手だなと思った」と称えた。

 昨年5月4日のミラノダービー。同年1月に加入したばかりの本田は、ベンチで戦況を見守るしかなかった。試合後はスタジアムで黙々とダッシュを繰り返した。その悔しさをバネに、今季リーグ11試合6得点と奮起し、伝統の一戦の出場にもつながった。

 本田が出場する前に長友が同点弾に絡んでいただけに「(ピッチに)上がった時には、ああいう結果を出すっていうのは必要なこと」と日本代表の盟友を称賛した。そして「前の選手は“惜しい”じゃ意味がない。ああいったシュート、ドリブルを続けるしか試合に出続ける方法はない」と自らを戒めた。ダービーでの確かな足跡にも満足感はない。本田の挑戦は終わらない。

 ▽ミラノダービー ともにミラノに本拠を置くインテル・ミラノとACミランの対戦で、ホームスタジアムが同じクラブ同士のダービーとしても有名。公式記録に残る初対戦は1909年1月10日(ミラン○3―2)だが、インテル側は08年10月18日(インテル○2―1)と主張。サポーターがミランは労働者階級、インテルは中産階級が中心だったため対立の歴史がある。50~60年代からセリエAの覇権を争う試合となり、欧州CLでも4度対戦。リーグ戦通算はインテルの68勝54分け61敗。長友は6試合出場で3勝2分け1敗。

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