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G大阪2差最接近 健太監督采配ズバリ 代えた佐藤が倉田が殊勲弾

[ 2014年11月23日 05:30 ]

<浦和・G大阪>扉開いた!!後半43分、先制ゴールを決め喜ぶ佐藤(左)

J1第32節 G大阪2―0浦和

(11月22日 埼玉)
 思い切ったように見えた“勝負手”も、G大阪の長谷川監督にとっては信念に基づく当然の選択だった。負ければ相手の優勝が決まる中で勝ち点3のみが求められた一戦。スコアレスの状況下で、強力2トップの宇佐美とパトリックを交代させる大胆な策が見事に的中した。

 「疲れていたり研究されて力を出せないのならば、フレッシュな選手の方がいいと思った。そして交代した選手が結果を出してくれた。ここにガンバの強さがある」

 「ベストメンバーを使う」と公言する指揮官は「主力組」や「控え組」という言葉さえ嫌う。出場から遠ざかる選手に声を掛け、腐らせないよう心掛けてきた。練習試合で結果を残した選手にはチャンスを与え、チーム内競争を活性化。先月の天皇杯準々決勝では過密日程の中で出場志願したエース宇佐美を「他の選手の方がコンディションがいい」とベンチ外にするなど、ブレない信念が選手層に厚みをもたらした。対する浦和は右腓骨(ひこつ)骨折で離脱していた興梠が強行出場。長谷川監督は「こちらは戦える選手が18人。浦和は17人だったんじゃないかな」と胸を張った。

 指揮官の信頼に、選手も最高の形で応えた。後半43分、値千金の決勝弾を決めた佐藤は「監督がチャンスをくれていたのに結果が出せず、申し訳ない気持ちだった。やっと恩返しができた」と笑顔。後半ロスタイムにダメ押し弾を決めた倉田も、うっ憤を晴らした。ここ10試合で先発出場は2試合のみ。「なんかスカッとした」と笑った副将は「監督は常に全員で戦うと言っている。これからも全員で戦っていく」と言葉に力を込めた。

 首位との勝ち点差は第14節で最大の14まで開いたが、残り2試合で今季最小の2に迫った。頂点に立てば史上最大の逆転優勝となる。厳しい状況に変わりはないが、やるべきことは1つだけ。神戸と徳島に連勝して奇跡を待つ。

 ≪“サブ”リーグ最多12発≫G大阪の2ゴールは途中交代出場のFW佐藤とMF倉田。今季G大阪の通算得点はリーグ2位の56得点だが、うち交代出場によるゴールがリーグ最多の12得点(リンス4、佐藤、倉田、大森が各2、今野、阿部が各1)もある。2番目が鹿島の7得点、次いで浦和と広島の5得点と交代出場ゴールの多さは群を抜いている。先発FWの宇佐美、パトリックがともに8得点と活躍しているが、2人をベンチに下げてでも起用するサブ陣の充実が長谷川采配の支えとなっている。

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