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浦和 8年ぶりリーグV王手!原口後継19歳関根が決勝弾

[ 2014年11月4日 05:30 ]

<横浜・浦和>後半、ゴールを決めた浦和・関根は槙野(左)、李らの祝福を受ける

J1第31節 浦和1―0横浜

(11月3日 日産ス)
 レッズが優勝に王手をかけた。首位の浦和はアウェーで横浜に1―0。生え抜き1年目のMF関根貴大(19)が途中出場で決勝ゴールを挙げ、4試合ぶり白星の立役者となった。前日に仙台と引き分けた2位G大阪との勝ち点差を5に広げ、22日にホームで行われるG大阪戦で白星を収めれば8年ぶりのリーグ制覇が決定する。
【試合結果 順位表】

 ついに頂点を視界に捉えた。勝利を告げるホイッスルが鳴ると、関根が両拳を握って喜びをかみしめる。優勝に王手をかける一撃を決めた19歳は「優勝するチームには途中から入って決めるヒーローがいる。きょうはそうなれた」と声を弾ませた。「セキネー!セキネー!」。日産スタジアムの観衆は今季最多4万571人。敵地に詰め掛けた多くのサポーターの力強い声援にあどけない笑顔を見せた。

 “ラッキーボーイ”が横浜の堅守をこじ開けた。エースの興梠が故障離脱し、攻めあぐねる展開。後半31分にピッチに上がる。「めっちゃ緊張した。監督から“仕掛けていけ”と言われた」。その3分後、右サイドをドリブルで駆け上がると中央の阿部にパス。これだけで終わらない。強烈なシュートのこぼれ球に猛スピードで詰め寄り、ペナルティーエリア内右からボールを抑えつけて右足を振り抜いた。「ノリで打った。シュート打った時は覚えてないっす。入って良かった」。下部組織出身のルーキーが、まばゆい輝きを放った。

 Jリーグデビューは差別問題で日本中が揺れた3月23日の清水との無観客試合。新生レッズとして生まれ変わる変革期に誕生した次世代エースだ。今季途中には浦和の看板を背負い続けたMF原口がヘルタに移籍。クラブ関係者から「原口以上の逸材」と呼び声高い関根は、6月1日の原口の激励セレモニーで花束を手渡す大役を務めた。「おまえが俺の代わりにならないといけない」。先輩の言葉に号泣しながら覚悟を決めた。U―19日本代表ではU―20W杯出場権を逃したが、スピードが武器のアタッカーは16年リオデジャネイロ五輪出場も狙える。オフには共にサーフィンをする先輩の槙野は「彼はラッキーボーイ。5万人を超えるC大阪戦でもJ初ゴールを決めたし、きょうも4万人もいて観客が多い時にやってくれる。デビューは無観客試合でしたけど」と称えた。

 残り3試合で2位G大阪との勝ち点差は5。22日のG大阪との直接対決で勝利を収めれば、リーグ制覇が決定する。「いつでも試合に出られるように準備していきたい」と関根は気を引き締めた。浦和が初優勝を決めたのは06年の最終節ホームG大阪戦。当時、テレビでその瞬間を見つめていた11歳の少年は8年を経て、2度目の優勝を引き寄せる頼もしい男になった。

 ◆関根 貴大(せきね・たかひろ)1995年(平7)4月19日生まれ、埼玉県鶴ケ島市出身の19歳。浦和ジュニアユース―浦和ユースを経て14年にトップチームに昇格。無観客試合だった第4節・清水戦(3月23日)でJリーグ初出場。1メートル67、63キロ。U―19日本代表

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