×

若手じゃ無理?なでしこ アジア大会準Vで来年W杯へ危機感

[ 2014年10月2日 05:30 ]

<日本・北朝鮮>首から下げていた銀メダルを早々に外し、ポケットにしまいこむ宮間(中央手前)

 アジア大会連覇を狙ったなでしこジャパンは北朝鮮との決勝で1―3で破れ、準優勝に終わった。2点のリードを許す展開となり、後半11分にMF宮間あや(29=岡山湯郷)のゴールで1点差に詰めたが、終盤に再び失点。新戦力発掘を兼ねて海外組抜きの若手主体で臨んだが、タイトルは獲得できなかった。来年6月開幕のW杯カナダ大会では連覇が懸かるが、不安の残る結果となった。

【試合結果 仁川アジア大会 なでしこジャパンメンバー】

 歓喜に沸く北朝鮮を尻目に、なでしこはうつむくしかなかった。連覇を目標に掲げて臨んだ今大会。準優勝に終わり、宮間主将は「金メダルを獲りに来ていたんで、残念ですし、情けないです」と声を絞り出した。フィジカルに勝る強国とはいえ1―3の完敗。前回W杯女王がアジアで敗れることは、屈辱以外の何ものでもなかった。

 今大会は「若手との融合」「戦力の底上げ」を掲げて臨んだが、失敗に終わったと言わざるを得ない。0―2の後半11分、川澄のクロスを宮間が決めたが、両選手とも前回のW杯、12年ロンドン五輪を経験した既存戦力。日本のシュート数は6本だが、新戦力では後半23分に宮間の右CKからヘディングシュートを放った長船の1本だけだった。

 新戦力は経験の少なさも手伝い、試合を読む力に欠けた。川澄は「サイドはフリーでボールが入っていた。(既存戦力の)宮間選手、岩清水選手らは分かっていて入れてくれた。でも全体でできないと」と嘆いた。佐々木監督も「ボールが収まらないし、技術的にトーンダウンした」と物足りなさを隠さなかった。

 それでもW杯カナダ大会は来年6月に開催される。川澄は「(W杯まで)もう1年もない。若手の底上げとか、世代交代とか言っている時期ではない。(W杯メンバーに)食い込んでくる選手がいようがいまいが、自分のやることは変わらない」と突き放した。さらには「海外組が加わったらもっとこういうプレーができるなというイメージもある。海外組も入って、それが日本代表」とまで言った。新戦力は悔しさを糧にはい上がるしかない。その気持ちこそが、W杯連覇へ日本の力になる。

続きを表示

この記事のフォト

2014年10月2日のニュース