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メッシ、酷評ペレ氏見返した!V弾アシスト 4戦連続MOM

[ 2014年7月3日 05:30 ]

<アルゼンチン・スイス>決勝ゴールを決めたディマリアに抱きつくメッシ(AP)

W杯決勝トーナメント1回戦 アルゼンチン1-0スイス

(7月1日 サンパウロ)
 やはりメッシが勝負を決めた。アルゼンチンは延長の末にスイスを1―0で下し、3大会連続で準々決勝に進出した。延長後半13分に主将のリオネル・メッシ(27=バルセロナ)がドリブルから絶妙のラストパスを送り、アンヘル・ディマリア(26=Rマドリード)の決勝ゴールをアシスト。4試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。28年ぶり3度目の優勝を狙うアルゼンチンは5日(日本時間6日)の準々決勝でベルギーと対戦する。
【試合結果 決勝トーナメント】

 PK戦突入目前の延長後半13分、中盤左でパスを受けたメッシはゴールに向かった。DFシェアーを抜き去り加速。約25メートルを駆け上がると、ペナルティーエリア手前で相手5人を引きつけ右サイドでフリーになっていたディマリアにラストパス。アルゼンチンに待望の決勝点をもたらした。

 「最後のチャンスに勝負をかけて自分でシュートしようと思ったが、アンヘル(・ディマリア)が良いポジションにいるのが見えたのでパスを出した。予想通り苦しんだが、これがW杯だ」と救世主は達成感に浸った。

 4―2―3―1のトップ下に入ったが、走行距離10・701キロはフル出場したフィールド選手で最短。パス成功率は60%だった。延長前半終了後には膝に手をついて動けなくなるほど疲労。それでも決定的な仕事をやってのけた。サベジャ監督は「インテリジェンスに富んだ素晴らしいプレー」と絶賛。敵将ヒッツフェルト監督は「メッシは1秒で試合を決めることができる」と脱帽した。

 チームを8強に押し上げるプレーはマラドーナをほうふつさせた。90年イタリア大会決勝トーナメント1回戦ブラジル戦、マラドーナはドリブルでDF4人を引きつけてカニージャにパスを通し決勝点をアシスト。1―0の勝利に導いた。連続試合ゴールは3で止まったが、メッシは母国の先輩にまた一歩近づいた。

 観客席には元ブラジル代表ペレ氏(73)がいた。繰り返し問われる自身との比較にいら立つのか「王様」は代表で結果を残せないメッシを酷評してきた。2年前に記者から評価を聞かれた際は「(自分と同じ通算)1238ゴールを決めて、W杯を3回獲ったら話をしよう」と辛らつなコメントを残した。だが、この日のプレーはレジェンドをもうならせたはずだ。

 自身の半生を描いたドキュメンタリー映画「メッシ」が完成。1日にリオデジャネイロで先行上映会が催され、2日に一般公開される。故郷ロサリオの生家などでロケを行い、幼少期の自身の映像も使われている作品の封切りにも花を添えた。

 準々決勝は過去2大会で敗れた鬼門。だが今のメッシには関係ない。「我々には幸運がある。この幸運を生かさないといけない」と力を込めた。  

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