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香川“開き直り”で意地見せる「可能性ある限り諦めない」

[ 2014年6月22日 05:30 ]

練習中に長友(右)と談笑する香川

W杯1次リーグC組 日本―コロンビア

(6月24日 クイアバ)
 人事を尽くして天命を待つ。衝撃的な先発落ちから一夜明け、日本代表MF香川真司(25=マンチェスターU)が開き直った。19日のギリシャ戦は後半12分から途中出場したが、シュート0に終わり不発。それでもショックを振り払うように「他力ですけど全力で勝ちにいく。あとは僕らには分からないですし、運命が決めること。強いメンタリティーを持って試合に臨んで、チームを勝たせるだけ」とコロンビア戦に視線を向けた。

 先発落ちは想定内だった。初戦のコートジボワール戦が最悪の出来だっただけに「何%かあるとは思っていた。意図は監督に聞いてみないと分からないけど、出番があると思って準備した」と振り返る。今季は所属するマンチェスターUでプロデビューした07年以降で初のシーズン無得点。厳しい定位置争いに苦しみ出場機会が激減し、本調子にはほど遠かった。

 関係者によると、5月12日のW杯メンバー発表で大久保がサプライズ選出された際に、最も危機感を抱いていたのが香川だったという。プロ1年目の06年にC大阪で一緒にプレーした先輩の代表復帰を喜ぶ一方で、定位置争いの強烈なライバルになることも察していた。ポジションを脅かされると感じたことこそが精神面が充実していなかった証。ギリシャ戦では香川に代わり大久保が先発に名を連ね、不安は現実のものとなった。

 厳しい立場に追い込まれたが、下を向くわけにはいかない。10年W杯南アフリカ大会はメンバーから落選して、練習を補助するサポートメンバーとして同行。スタンドから16強入りを見つめた複雑な思いを忘れたことはない。「このために4年間やってきた。一人一人いろいろな思いはあると思うけど、チーム一丸で勝利を信じて戦えるかどうか。可能性がある限り諦めない。ブレてはいけない」。逆転突破を信じて、次こそ、背番号10の意地を見せる。

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2014年6月22日のニュース