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手倉森ジャパンの10番・中島 東京VからFC東京に“禁断”の移籍

[ 2014年1月20日 05:31 ]

J2東京VのU―21日本代表MF中島翔哉

 J2東京VのU―21日本代表MF中島翔哉(19)がJ1のFC東京に電撃移籍することが19日、明らかになった。すでにクラブ間、本人ともに完全移籍で基本合意。中島がオマーンで開催中のU―22アジア選手権から帰国しだい正式決定し、発表の運びとなる。

 2016年リオデジャネイロ五輪出場を目指すU―21日本代表でエースナンバーの10番を背負い、U―22アジア選手権では1次リーグ初戦イラン戦で値千金の同点弾となるスーパーミドルを決め、8強入りを決めたオーストラリア戦では2得点1アシストと大活躍。海外クラブも獲得に興味を見せる中、ホームを同じくするライバル、FC東京への“禁断の移籍”を選択した。

 中島は身長1メートル64と小柄ながら、ドリブルと積極的なシュートが持ち味で、トップ下、サイド、FWなど攻撃的なポジションならどこでもこなす器用さも併せ持つ。東京Vユース時代からその存在はズバ抜けており、高3だった2012年10月にプロ契約。直後の同年10月21日には栃木戦(味スタ)でJリーグ最年少記録を19年ぶりに塗り替える18歳59日でのハットトリックも達成している。だが、昨季は新たに就任した三浦泰年監督(48)の方針で出場機会が前年から減少。強気な性格で、かねてより「ヴェルディから直接バルサに行く」と公言していた中島だが、夢はひとまず封印して、日本の他クラブで経験を積むべく現実路線を歩むことになった。

 東京VとFC東京はともに味の素スタジアムをホームとし、かつて同じカテゴリーだった時の“東京ダービー”ではサポーター同士の衝突があちこちで起きるなど、一触即発な関係で知られる。やはり下部組織育ちのMF河野広貴(23)が12年に東京VからFC東京に移籍した際には、サポーターが「よりによって…」と大きなショックを受けた過去もある。だが、東京Vは深刻な資金難にあり、推定3000万円の移籍金(育成費含む)を得られることから今回の移籍を容認したという。

 ◆中島 翔哉(なかじま・しょうや)1994年(平6)8月23日、東京都八王子市生まれの19歳。ジュニア、ジュニアユース、ユースと東京Vの下部組織育ちで、高3だった2012年9月14日の福岡戦(味フィ西)でデビュー戦ゴール。10月にプロ契約を交わし、10月21日の栃木戦(味スタ)では18歳59日でJリーグ最年少ハットトリックを達成した。各年代の日本代表にも選出され、11年のU―17W杯メキシコ大会ではベスト8進出に貢献。13年のJリーグアウォーズでは9月29日の群馬戦(国立)でマークしたゴールがJ2最優秀ゴールに選ばれた。J2通算29試合6得点。昨季は21試合2得点。1メートル64、58キロ。利き足は右。

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