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本田 元祖無回転FK男“生誕の地”で決める!!

[ 2013年6月20日 06:00 ]

遠藤(左)とともに軽快な動きを見せる本田

コンフェデ杯1次リーグA組 イタリア―日本

(6月19日 ブラジル・レシフェ)
 コンフェデ杯に出場中の日本代表は19日(日本時間20日)、1次リーグ第2戦でイタリアと対戦する。初戦黒星で迎える崖っ縁の一戦で、MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)が10年6月24日のデンマーク戦以来の直接FK弾を狙う。試合会場のレシフェは元祖無回転FK男のMFジュニーニョ・ペルナンブカーノ(38=米MLSニューヨーク)の出身地。ブレ球誕生の地で無回転弾を決めてザックジャパンを勝利に導く。

 長い沈黙を破る時が来た。目の覚めるような無回転FK弾で日本列島を沸かせたW杯南アフリカ大会デンマーク戦から3年。本田は国際Aマッチで直接FKによるゴールから遠ざかっている。18日の公式練習ではキックの感覚を入念に確認。練習後は無言を貫き、得意のブレ球でネットを揺らすイメージを膨らませた。後がない状況で激突するイタリアの守護神は世界最高峰のGKブッフォン。相手に不足はない。

 FK弾を見舞うには絶好の舞台だ。決戦の地レシフェは元祖無回転FK男として知られるジュニーニョ・ペルナンブカーノの出身地。06年W杯ドイツ大会の日本戦でもブレ球のミドル弾を決めており、イタリアのピルロも蹴り方を参考にするFKの名手だ。地元クラブ関係者によると、ジュニーニョは20歳まで過ごしたこの土地の砂浜でキック練習を繰り返してブレ球を習得したという。無回転シュート誕生の地で本田が勝利に導く無回転FKを沈めれば、これ以上のシナリオはない。

 コンフェデ杯で直接FKを決めれば、01年日韓大会オーストラリア戦の中田英寿、03年フランス大会フランス戦の中村俊輔に続く3人目の快挙となる。本田はFKの際には自分の空間をつくることを意識。ボールのセットの仕方、助走までの細かい動作も決めている。過去には「入る時は蹴る前に分かる。決まるシーンが画像として頭に浮かび上がる。GKが動くラインまで鮮明に見える」と明かしておりキック前に極限まで集中力を高められるかが鍵になる。

 来年1月でCSKAモスクワとの契約を満了するため、今夏の移籍を熱望。イタリアでは1週間ほど前まではACミラン、インテル・ミラノなどが獲得に興味を示すという報道が熱を帯びていたが、現在は終息気味。再び注目を集めるためにもイタリア戦では質の高いプレーが求められる。右膝、左足首、右太腿に違和感が残るが、体にムチを打ち先発することが確実で「(1次リーグは)まだ2試合ある」と優勝を諦めてはいない。ブレない心がボールに乗り移った時、アズーリを撃破する最高のブレ球が生まれる。

 ◆ジュニーニョ・ペルナンブカーノ 1975年1月30日、ブラジル のペルナンブコ州レシフェ出身の38歳。11歳から自身で設立したフットサルクラブに所属。91年に地元有力 クラブ・スポルチに入団。95年にバスコ・ダ・ガマに移籍し、01年にフランスのリヨンに入団。カタールのアル・ガラファなどを経て13年からニューヨークでプレー。99~06年にはブラジル代表で活躍し国際Aマッチ40試合6得点。1メートル78、 71キロ。ペルナンブカーノは「ペルナンブコ州の人」の意味。

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