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高徳 長友役任せろ「穴、埋めてきたって報告したい」

[ 2013年3月21日 06:00 ]

<日本代表練習>リラックスした表情を見せる酒井高

日本代表ドーハ合宿

 W杯アジア最終予選ヨルダン戦(26日、アンマン)に臨む日本代表は19日、親善試合カナダ戦(22日)を行うドーハで、本格的な戦術練習に着手。DF酒井高徳(22=シュツットガルト)は左サイドバックでプレー。得意の攻撃に加え、課題の守備もドイツ仕込みのプレーで進化を印象付け、左膝負傷で離脱中の長友佑都(26=インテル・ミラノ)に勝利を報告することを誓った。
【メンバー W杯アジア最終予選】

 穏やかなムードが一瞬にして様変わりした。本来は練習を公開する予定だったが、アラブ系メディアが取材に訪れたことを知ったザッケローニ監督は方針を転換。スタッフに指示を出すと、ウオーミングアップを行った冒頭15分だけを公開して、戦術練習は非公開にした。26日の決戦を前に緊張は高まるが、W杯出場が懸かるヨルダン戦で長友の代役が有力な酒井高は、その重圧をも楽しんでいるかのようだ。当然、周囲からは長友と比較されることになるが端正なマスクの22歳はこう言い切った。

 「そりゃ嫌ですよ。“今の(プレーが)長友だったら…”と言われると思うんです。でも“そんな中でも高徳のあそこは良かったよね”と言われるように何かを残したい。勝って、佑都さんに“穴、埋めてきました”って報告したいんです」

 課題だった守備の不安は解消した。きっかけは所属先シュツットガルトの不振だ。今年に入りリーグ戦はわずか2勝(1分け6敗)。主に右サイドバックに入る酒井高は得意の攻撃より守備に費やす時間が増した。だが、それが奏功。相手選手との距離の保ち方などが向上し、一気にかわされることも減少。一歩踏み出すタイミングも良くなった。新潟ユース時代に監督として指導した片渕浩一郎氏(37=現日本協会ナショナルトレセン北信越地区サブユースディレクター)も「(ユース時代より)落ち着いている。守備ではポジショニングが非常に向上していて1対1の強さに加えて幅の広さが出ている」と分析。前哨戦のカナダ戦はその成果を見せる絶好の機会だ。

 もともと攻撃面は長友にも匹敵する実力者だ。昨年11月14日のW杯最終予選オマーン戦(2―1)でも後半途中から出場、鋭い突破とクロスで岡崎の決勝弾を演出した。「前に出たときの攻撃のバリエーションは持ってる。右でも左でもクロスは上げられるし、前で力は出せると思う」。ヨルダン戦は長友が不在でも、日本の左サイドには酒井高がいる。そのことを証明する。

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2013年3月21日のニュース