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ドイツで苦しむ酒井高「ここで今季初の結果が出ました」

[ 2012年11月15日 06:00 ]

<オマーン・日本>後半、DFをかわしクロスを上げる酒井高

W杯アジア最終予選B組 日本2―1オマーン

(11月14日 マスカット)
 日本代表のDF酒井高徳が指揮官の期待に応えた。シュツットガルトの先輩・岡崎の決勝点をお膳立てした。後半19分、前田に代わって左サイドバックの位置に投入されると1―1の同44分、左サイドから中央にクロスを上げる。これを遠藤がヒールで流し、岡崎が詰めて、劇的なゴールにつながった。

 「速いクロスを上げようと思った。その前の場面で(クロスを)上げ切れていなかったので、いこうと思っていました。仕掛けて良かった」。土壇場で勝利を演出した背番号6をザッケローニ監督も「左サイドのところで、長友とうまく打開してくれると思った」と評価した。

 右太腿肉離れのため、代表招集を辞退したシャルケDF内田に代わり9日に追加招集された。いきなりの招集に加えて、シュツットガルトでの試合との兼ね合いで、全体練習に参加できたのは1日だけ。それでも「ケガ人の次に名前が出てくるのは自分が(代表に)近い存在まできているということ。それは、自信を持ってやっていきたい。いつも準備しているし、その気持ちが、きょうにつながった」。新天地のドイツで目標のサムライブルーのユニホームを目指してきた強い思いが、酷暑の中東の地で結実した。

 苦しんでいた。ドイツ移籍初年の昨季は14試合に出場し4アシストと活躍したが、今季は9試合の出場で得点もアシストもなし。「ここで今季初の結果が出ました」。W杯出場に王手をかけた、国際Aマッチ出場2試合目の重要な一戦で出した「結果」。それは今後のドイツでの活躍への自信にもなった。

 「今度は正式に呼ばれたいですね」。内田の不在に加え、駒野も合宿中に腰を痛めた。手薄と思われたサイドバックに新たなスターが誕生した。

 ◆酒井 高徳(さかい・ごうとく)1991年(平3)3月14日、米ニューヨーク州生まれの21歳。ドイツ人の母と日本人の父を持つ。06年新潟ユース入団。09年トップ昇格しデビュー。12年1月シュツットガルト移籍。U―15から各年代の日本代表を経験し10年W杯南アフリカ大会は日本代表サポートメンバー。ロンドン五輪は4試合出場。家族は妻と2女。1メートル76、74キロ。利き足は右。

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2012年11月15日のニュース