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メッシにCロナ一歩も引かず“異星人”2発競演

[ 2012年10月9日 06:00 ]

<バルセロナ・Rマドリード>前半31分、同点ゴールを決めるメッシ(中央)

リーガ・エスパニョーラ 第7節 バルセロナ2-2Rマドリード

(10月7日)
 伝統の一戦「クラシコ」が7日に行われ、2―2の引き分けに終わった。バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(25)とレアル・マドリードのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(27)がいずれも2得点。FIFAバロンドール(世界最優秀選手)を争う両エースが、ゴール競演で譲らない白熱した戦いとなった。

 レアルのモウリーニョ監督が満足げに訴えた。「世界が楽しんだと思う。大一番は戦術的になり過ぎて無得点に終わることが多いが、この試合はファンが見たがるもの全てがあった」。皮肉な発言で知られる指揮官が、勝ち点3を逃しながら素直に結果を受け入れた。

 前半23分にバルサのお株を奪う攻撃でパス14本をつないでC・ロナウドが先制点。クラシコ初の6戦連続得点で歴史に名を刻むと、メッシが25メートルのFK弾など2得点して試合をひっくり返した。クラシコ通算17得点はレアル往年の名選手ディステファノの最多記録まで1点。しかし、失点から5分後の逆襲でC・ロナウドが試合を振り出しに戻し、さらに終盤はバルサが猛攻に出た。双方とも攻守の切り替えが速く、勝敗の行方が見えない息詰まる死闘。最後は終了の笛に9万6589人の大観衆が息をついた。

 「素晴らしい試合だった。勝ちたかったけどレアルが偉大なチームということを忘れては駄目」とメッシ。C・ロナウドのレアル加入から4季目を迎え、クラシコでの両雄対決は16回目だが、サッカー界の頂点を争う2人がそろって2得点したのは初めてだ。開幕からの連勝は6で止まり、勝ち点8差を広げる機会は逃したが、世界で4億人のテレビ観戦が見込まれた一戦でのゴール競演に「ファンに喜んでもらえたと思うよ」と笑った。

 試合中に左肩を痛めたC・ロナウドはコメントを残さなかったが、かつて「メッシと互いに競い合っているからレベルが高くなる」と話した。自身が08年に手にした「世界最優秀選手」の称号は09年から3年連続で奪われたが、好敵手がいるからこそ自身も成長する。来年1月7日のFIFAバロンドール発表へ、クラブでの昨季公式戦成績は60試合73得点のメッシに及ばないが、55試合60得点でレアルのリーグ優勝を支えたC・ロナウドを本命に推す声もある。

 モウリーニョ監督が「2人とも異なる惑星から来た」と指摘する突出した才能。異次元の戦いを続ける両エースが、あらためてその力を示した。

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