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惨敗から11年…ザック「サンドニの悲劇」払しょくだ

[ 2012年10月9日 06:00 ]

練習を見つめるザッケローニ監督

日本代表直前合宿

 ザックジャパンが「サンドニの悲劇」を払しょくする。フランス(12日)、ブラジル(16日)と親善試合を行うためフランス入りした日本代表は8日午後、海外組も合流してパリ市内で直前合宿をスタート。フランス戦は01年にトルシエジャパンが0―5で敗れた同じスタッド・フランスが舞台になるが、同日午前にパリ近郊で取材に応じたアルベルト・ザッケローニ監督(59)は世界の列強恐れるべからず、と自信をのぞかせた。
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 パリ中心から約14キロにある湖をバックにゆっくりとソファに腰を下ろした指揮官は、敵地での強豪国との初対決に興奮を隠せなかった。チームのさらなるレベルアップを求め、自ら強く熱望した欧州遠征。指揮官は「日本がどんな戦いを見せるか楽しみでしようがない」と試合が待ち遠しい様子。そして「相手を恐れずにやれば、ブラジルでもフランスでも絶対に良い戦いができる」と自信たっぷりに続けた。

 アウェーのフランス戦で思い浮かべるのは、01年3月24日にトルシエジャパンが今回と同じ「スタッド・フランス」で戦った一戦。中田、中村俊らを中心に当時の世界王者に挑んだが、完膚なきまでに叩きのめされ0―5で大敗。その試合は今でも「サンドニの悲劇」として語り継がれている。だが、10年以上が経過し、日本のサッカーは着実に成長。指揮官も「フランス、ブラジルはサッカーの歴史は日本より長い。でも最近のレベルアップ率で言えば、日本の方が圧倒的に上だ」と言い切った。

 強豪相手にも、日本のスタイルを変えるつもりはない。10年7月の就任以来、速いパスサッカーを徹底。指揮官は「もしかしたら、結果的に押し込まれることになるかもしれない」としながらも「世界とのレベルの差を測るには、自分たちのサッカーをしないと分からない。チームが自陣に引いて守る姿は決して見たくない」と真っ向勝負を挑むつもりだ。

 「自分たちの速いサッカーを展開できれば、フランスにとってもそれはかなり厄介になると私は確信している」。ザックジャパンがサンドニで新たな歴史を刻めるか。日本サッカー界にとって大事な一戦となりそうだ。

 ▽サンドニの悲劇VTR 01年3月24日にパリ郊外サンドニにあるスタッド・フランスで、日本代表はフランス代表に0―5で惨敗した。5失点は国際Aマッチ6年ぶりで、5点差は同戦後ワースト。中田を2トップの一角に起用する3―5―2で臨んだが、前半10分のジダンの先制点(PK)を皮切りにアンリ、ウィルトール、トレゼゲ(2点)と次々に失点し、トルシエ監督自慢のフラット3が崩壊した。

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2012年10月9日のニュース