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必然のPK勝ち!イタリア“脱カテナチオ”攻め続けた120分

[ 2012年6月26日 06:00 ]

<イングランド・イタリア>ヤング(左)のPKが外れガッツポーズするイタリア代表GKブッフォン

欧州選手権準々決勝 イタリア0―0(PK4-2)イングランド

(6月24日)
 イタリアが延長0―0の末にPK戦でイングランドを4―2で破り、3大会ぶりに準決勝に進んだ。相手の堅守を崩せずPK戦に持ち込まれたが、06年W杯優勝メンバーのGKジャンルイジ・ブッフォン(34=ユベントス)とMFアンドレア・ピルロ(33=ユベントス)が奮起した。4強が出そろい、27日(日本時間28日)から準決勝が行われる。
【試合結果】

 5人目のディアマンティはゴール左に蹴り込むと、GKブッフォンに駆け寄って抱き合った。主将でもある守護神を中心に広がった歓喜の輪。イタリアがPK戦の死闘を制した。

 「モントリーボのミスを見て、1本でも多く止めることだけを考えた」

 ブッフォンが息をついた。PK戦で2人目のモントリーボが失敗し、場内には絶体絶命の重い空気が漂った。しかし、イタリアでGK最多の118戦目を迎えたベテランは諦めなかった。気迫に圧倒され、相手3人目のヤングがクロスバーに当てるミス。守護神は続くA・コールの狙いを読み、左に飛んでボールを抑え、勝利の舞台を整えた。

 「カテナチオ(かんぬき)」と呼ばれる堅守が伝統の国が、プランデッリ監督の下で攻撃サッカーに転換。この日はボール支配率64%にパス成功数で815―320、シュート数でも35―15とイングランドを圧倒した。イタリアのお株を奪うように守備を固めた相手に決定打こそ欠いたが、内容では完勝。「勝利にふさわしいプレーをしたのは自分たち」。スタイル変更に手応えを得た主将が最後はゴールを死守した。

 開幕前に国内リーグで八百長騒動が拡大。代表宿舎が捜索され、疑惑浮上のDFクリシトはメンバーから外れた。ブッフォン自身も違法賭博の疑いが報じられたが、関与を否定。「国民が誇りに思えるチームであることを証明する」。そう誓った大会で4強に残った。

 06年W杯では、八百長騒動の渦中でイレブンが結束を深め、フランスを下して優勝した。くしくも準決勝は当時と同じドイツと対戦。ブッフォンは「3位や4位で終わるつもりはない。2位でもないんだ」と力を込める。その視線は頂点だけを見据えていた。

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