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清水 大前弾で仙台止めた!3連勝で2差接近

[ 2012年5月7日 06:00 ]

<仙台・清水>前半40分、ヘッドでゴールを決めた清水・大前は笑顔

J1第10節 清水1-0仙台

(5月6日 ユアスタ)
 2位の清水が開幕から不敗を続けていた首位・仙台に初黒星をつけた。雷雨と雹(ひょう)の影響で前半14分から43分間中断し、後半23分にはDFカルフィン・ヨンアピン(25)が退場するなど、大荒れとなった一戦。前半40分、FW大前元紀(22)がヘディングで奪った1点を守り切った。清水は3試合連続無失点で3連勝。仙台との勝ち点差を2に縮めた。

 無敗の仙台を止めたのは1メートル66の小兵ストライカーだった。前半40分、高木の左クロスに合わせファーサイドへ走り込んだ大前が、ヘディングでゴールネットを揺らした。今季4点目。そのうち3点が高木とのホットラインから生まれている。

 「(空中戦が強い)センターバックより、サイドバックの裏に走った方がボールは抜けやすい。トシ(高木)がよく見てくれた」。高さはないが、10年の開幕戦で奪ったJリーグ初得点も頭。クロスに対して走り込むタイミングの取り方には自信があった。

 “恵みの雹”だった。優勝争いに重要な意味を持つ1、2位対決。先発11人の平均年齢が23・45歳の若いチームは浮足立った。流れを変えるきっかけとなったのが悪天候。前半13分すぎ、突然雷雨と雹が降り出し中断。中断時間を利用してゴトビ監督は選手たちにゲキを飛ばした。「改善するチャンスが来たと思った。攻撃的なサッカーでテンポをつくりたかったが(中断前)選手は保守的になっていた」という指揮官はまずメンタルに刺激を与えようと、大前ら攻撃陣に向かって鬼の形相で言葉を発した。

 「中断後は(大前)元紀が前に前に行くようになった」と吉田。ヨンアピンが退場して後半23分から10人となったが、終盤のピンチにはDF陣やGK林が奮闘した。4月28日のFC東京戦で9人になりながら1―0で勝ち切った経験も生きた。

 大前はロンドン五輪世代ながら昨年まで関塚ジャパンに一度も呼ばれなかった。だが今年4月のU―23日本代表候補合宿に初招集。チームメートの吉田とともに五輪予備登録メンバーに入った。崖っ縁からはい上がりロンドン行きをつかもうとしている。清水の快進撃を支える大前は「チームが勝てば(五輪の)チャンスはある」とJリーグでアピールを続けていく。

 ≪後半の失点減で90分間戦えるチームに≫清水の先発の平均年齢は23・45歳。J1全18チームで最も若い。前々節は高木、前節は23歳の伊藤が決勝弾と若手FWが躍動している。また今季は後半の失点数が浦和に次いで2番目(5失点)に少ない。昨季は同失点数がリーグワースト2位で終盤に失速するケースが多かった。FW以外にも李記帝(イ・キジェ)、吉田、河井、GK林ら20代前半の新戦力が定位置を奪取。90分間戦えるチームになったことが躍進につながっている。

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2012年5月7日のニュース