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耐えて守ってドログバ弾!チェルシー、バルサ攻略

[ 2012年4月20日 06:00 ]

<チェルシー・バルセロナ>前半47分、ボールを押し込むドログバ(左)

欧州CL準決勝第1戦 チェルシー1―0バルセロナ

(4月18日)
 18日に1試合が行われ、チェルシーがホームで昨季王者バルセロナに1―0で先勝した。前半ロスタイムにFWディディエ・ドログバ(34)が決勝点。09年準決勝で敗れた因縁の相手を堅守速攻で撃破した。バルセロナはCL17戦ぶりの敗戦を喫し、FWリオネル・メッシ(24)はチェルシー戦7戦不発となった。第2戦は24日に行われる。

 一撃で仕留めた。相手ペースで進んでいた前半のロスタイム、ランパードが自陣でメッシからボールを奪うと、前線のラミレスにロングパス。左サイドからの折り返しをドログバが左足で蹴り込んだ。ボールを奪ってから9秒で6タッチ。ベテラン中心で国内リーグ6位に低迷し、限界がささやかれたチェルシーが王者バルセロナを沈めた。

 「ほぼ完璧だった。バルセロナ相手にはたくさん守り、チャンスを得た際に冷静になる必要があるんだ」とディマッテオ暫定監督は息をついた。

 09年準決勝はバルセロナ相手に敗退。ホームの第2戦で突破寸前のロスタイムに痛恨の失点を喫した。試合中から判定への不満を訴えていたドログバは試合後に理性を失い、主審に詰め寄るなど問題行動で出場停止処分。しかし、この日はゴールをもたらした落ち着きに加え、終盤は守備でも貢献し「3年前から成長した。学んだということ」と笑った。

 苦しみ抜いてつかんだ勝利だ。バルセロナのボール支配率73%は今季CLでチーム最高。パス成功数でも194―782本と、チェルシーは圧倒された。指揮官が「相手は20人かと錯覚した」と苦笑したほどボールを回されたが、しのぎ切った。

 攻撃志向が強かったビラス・ボアス前監督の解任後、コーチから昇格した暫定監督は「チームの自信を取り戻すことが最優先課題だった」と全盛期を支えた堅守速攻のスタイルを徹底。この日はフィールドプレーヤー9人でスペースを埋めた。24本のシュートを浴びて危ない場面もあったが、強いフィジカルをベースに分厚い守りで敵をゴールから遠ざけた。肋骨2本にひびが入ったまま強行出場を続け、チームを束ねるテリー主将は「みんなが疲れ知らずの働きをした」と胸を張った。

 第2戦は引き分けでも突破するが、舞台はバルサが今季CL1試合平均3・6得点を挙げてきたカンプ・ノウ。それでもテリーは「きょうのようなプレーができれば」と手応えを口にした。雪辱は2戦合計で相手を上回ってこそ。ディマッテオ暫定監督は「まだハーフタイム」と気を引き締めた。

 ▼09年CL準決勝 バルセロナと対戦したチェルシーは敵地の第1戦を0―0でしのぎ、第2戦は前半9分に先制。しかし、後半ロスタイムに相手MFイニエスタの得点で2戦合計1―1とされ、アウェーゴール規定で敗れた。FWドログバはペナルティーエリア内で相手選手の手にボールが当たる場面が複数ありながらも、全て流した判定に不満が爆発。試合後、主審やテレビカメラに暴言を連発したため、出場停止3試合の処分を受けた。

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