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悪夢の後半45分…日本、C組2位転落で自力突破消滅

[ 2012年2月6日 06:00 ]

<U23シリア代表・U23日本代表>後半45分、シリアが勝ち越しのゴール

ロンドン五輪アジア最終予選C組 日本1-2シリア

(2月5日 ヨルダン・アンマン)
 C組の日本はシリアと対戦し1―2で敗れた。0―1で迎えた前半46分、FW永井謙佑(22=名古屋)が、値千金のゴールを決め一度は同点に追いついた。引き分けでも5大会連続の五輪出場に大きく前進するはずだったが、後半45分にDFサリハに決勝ゴールを決められた。シリアと勝ち点、得失点差で並んだものの、総得点差でC組2位に後退し五輪出場に黄色信号がともった。日本は22日に敵地でマレーシアと対戦する。

 ヨルダンで関塚ジャパンが絶望の淵に立たされた。

 1―1で迎えた後半45分。相手DFサリハがペナルティーエリア外から強烈なドライブシュートを放った。大きな弧を描いた軌道はゴール手前で鋭く落ちた。虚をつかれたGK権田は両手を伸ばしたが、止めることはできなかった。1メートル87の長身が背中から地面に転がった。試合終了まで残り数分。悪夢としか言いようがなかった。

 常に自らを律し、仲間にも厳しい言葉を投げかけてきた守護神の声は震えていた。「本当に申し訳ない。謝るのもおこがましい。みんな体をなげうっていたのに一番後ろがこれでは…。反省というレベルではない。すべての人に申し訳ない」。前半18分のオウンゴールも目の前でバウンドしたボールを捕り損ねた。ピッチが荒れ放題だったとはいえ「あれもミス」との思いがあった。試合後は敗戦の責任を1人で背負い込んだ。

 関塚監督は「非常に残念。決定機はつくったが、結果が伴わなかった」と悔しさをかみしめた。1月31日、イラクとの練習試合でエース清武が左ふくらはぎを負傷し離脱した。動揺する選手たちを「キヨの分まで頑張ろう」と鼓舞した。1トップには快足のFW永井を今予選で初先発させるサプライズ采配。見事に的中させた。最後の失点だけが想定外だった。

 「これで自分が下ばっかり見ていてもチームのためにはならない」。目に涙をためた権田は、気持ちを奮い立たせるのに必死だった。ドーハ合宿中に行われた、カタールとの練習試合では、ふがいない試合内容にもかかわらず、ハーフタイムに笑顔を見せていたチームメートに苦言を呈した。強い正義感、そして勝利への執着心は誰もが認めるところ。だからこそ責める選手はいなかった。

 置かれた状況は厳しい。勝ち点でシリアに並ばれ、総得点差でC組の首位から陥落し、自力突破も消滅した。関塚監督はは「次に向けてもう一度、立ち向かって行きたい」と前を向いた。次戦は22日、敵地でのマレーシア戦。勝ち続け、得点を量産する必要がある。もう二度と同じ失敗は許されない。

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