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市船“銭湯モード”!? 9大会ぶりVへ験担ぎ

[ 2012年1月9日 06:00 ]

練習で笑顔を見せる和泉(左)ら市船橋イレブン

全国高校サッカー選手権決勝 市船橋―四日市中央工

(1月9日 国立)
 イチフナが“銭湯モード?”に入った。全国高校サッカー選手権決勝は9日、国立競技場で行われ、9大会ぶり5度目の優勝を目指す市船橋(千葉)と、20大会ぶり2度目の制覇を狙う四日市中央工(三重)の名門同士が初対戦する。4試合で2失点と堅守が光る市船橋は、チーム全員で温泉や大浴場で入浴するのが験担ぎ。裸の付き合いで結束を固めてきたイレブンが頂点を狙う。

 決勝前日にもかかわらず、ピッチに笑い声が響く。9大会ぶりの奪冠を狙う市船橋は、練習前に一発芸を競い合うなど、リラックスムードで調整した。倒れ込んで爆笑する選手もいたほどだった。し烈なスタメン争いを繰り返しながらも、笑顔が絶えない。その強い団結力の裏には、お決まりとなった儀式がある。

 それは選手全員で風呂に入ること。千葉県大会時から始まった習慣について「たまたま時間が余ったから(選手だけで風呂に行ってこいという感じで)最初は時間つぶしという軽い気持ちだった」と朝岡監督は説明する。以来宿舎の近くの温泉や銭湯に出向き全員で湯につかってきた。準決勝前日6日、試合当日の7日、そしてこの日も宿舎内の大浴場に入った。監督やコーチと離れて選手だけで裸の付き合いをし、たわいもない会話をすることがリフレッシュになった。

 「勝ち続けているし、お風呂はいつのまにか験担ぎになってます」と指揮官。「みんなで一つのことをするという意味でもいいこと」と主将の和泉も話す。効果は精神面だけではない。トレーナーの指示で交代浴を取り入れることで、疲労回復にも一役買っている。

 決勝で戦うのは同じく伝統校の四日市中央工。昨年12月の練習試合では2―1と勝利しているが、決して油断はない。得点王争いを演じる田村翔、浅野の相手2トップについて、GK積田は「FWの2人は速い。最終ラインも含めコミュニケーションを取って、しっかり対応したい」と警戒。チームで連係して対抗する構えだ。

 イレブンは優勝と同時に朝岡監督を胴上げすることに強い思いを抱いている。千葉県大会決勝では、全国大会を見据えて朝岡監督が「まだ早い」と拒否した。「あと1つ勝って今度こそ監督を胴上げしたい」と和泉。泣いても笑ってもあと1試合。一丸となったイチフナが頂点に駆け上がる。

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2012年1月9日のニュース